【体験型観光が日本を変える349】深刻な人口減、消滅する自治体も 藤澤安良


 連休前には衆院議員の補欠選挙が3カ所で行われ、数十年にわたって繰り返されてきた政治と金の問題の影響は大きく、自民党が不戦敗を含む全敗となった。山積する社会問題が解決に向かわないままの今、いよいよ抜本的な改革を実行しなければ、国民の支持は得られまい。

 米国と日本の金利差は大きく、それは外国為替に大きく影響を及ぼす。対米ドルは一時1ドル=160円となるなど急激に大幅な円安となったが、日銀の円買い介入があったとされ、数円戻した。根本的な円高には触れる要素が今のところ見つからない。

 訪日外国人には日本の物価の安さを体感して大喜びである。とりわけ米ドルの影響が大きい地域への海外旅行に出かけた邦人は、食事代などあまりの物価の高さに嘆いている。

 オーバーツーリズムの問題が京都をはじめ各地で増えている。ついに、二重価格に踏み切った飲食店が現れるなど民間での対応が動き出した。現在の出国税を日本人は免除し、数千円の入国税にすべきである。また、外国人向けに宿泊税導入や、二重価格ではなく、一定の値上げの後に、日本人にはマイナンバーカードを提示すれば割引になる制度が考えられる。現場で気分が悪くならない方策が必要である。

 国際航空券代も高く、GWは海外旅行よりも、無料や安価な国内の祭り、イベントに人出が多かった。私も家族の付き合いで、横浜のみなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園、中華街に出向いたが、中華街では身動きができないほどの人出があった。

 その人出は地元に加えて、地方からやってきた人など、圧倒的に若者が多い。日本にこれだけの若者がいるのかと少し安心する。一方で、仕事で地方にも出かけたが、著名観光地以外には人出がほとんど見られないし、若者は少ない。人口も年齢の格差も広がるばかりである。

 先ごろ、総務省は日本の子供の人口割合は韓国に次いで世界で2番目に少ないと発表。割合は11.3%で1401万人となり、1950年から数値発表以降最低となった。その韓国では労働力確保に向けて、就労5年後には永住権が取れるなど移民政策を講じている。外国人労働者を歓迎している。

 日本の外国人研修制度など低賃金で働かせ雇用主とのトラブルが多発した。働きやすい、住みやすい国の日本にしなければならない。バイデン米大統領の「日本は外国人嫌い」という発言は、日本人は外国人嫌いではないが、国家の政策は嫌いのように見えるという意味だと思う。

 人口戦略会議は2020年から50年までに全国1729自治体の4割にあたる744自治体で20~39歳の女性人口が50%以上減り、消滅する可能性があるとする分析結果を公表した。

 人口減少が確定的で都市部に集中している日本で、人口減少に歯止めを掛け、都市から地方への動きを加速しなければ、根本的な原因が解決しないまま地方同士で人口の取り合いをしても始まらない。地方自治体の責任もゼロではないが、国家として多額を投じるだけではなく効果のある政策を求めたい。

 
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