パリ・オリンピックでの日本人の活躍がとても誇らしい。期待が高かった種目や、不本意な結果に終わる例も多く、前評判に上がっていなかった種目や選手がメダルを取ったり入賞したりと、悲喜こもごもである。人生の縮図のようなものであり、思い通りには行かないという教訓でもある。
総じて、プレッシャーを跳ね返し、エネルギーに変えて、実力やそれ以上の能力を発揮する選手が好成績を上げられるのかもしれない。
いずれにしろメンタルの強さが勝負の鍵になっている。経験がものを言うとか、場馴れしているとかという言葉があるように、経験には、一定の価値が生まれることは間違いない。
水泳の岩崎恭子選手の時代から今回もまた10代の金メダリストが生まれている。年齢というよりも幼少の時から、若くても世界を転戦するなど、やはり体験値がものを言う。
今回もまた、人間による審判に疑念が生じてしまった。ビデオ判定は選手の申告により全ての種目に取り入れるべきである。中には、ビデオ判定を見てそれかよ、ということもあった。結局、審判も感情を持つ人間である。その人間力をいい方に使ってほしいものである。さもなくば、AIにとってかわられることになる。
7月末には成田空港からLCC(格安航空会社)で約5時間の直行便が飛ぶフィリピンのクラークへ出向いた。1990年にピナツボ火山の大噴火があり、元米軍基地があった地域である。
日本より南方に位置しながら、東京で気温が37度と言っている時に、28度と過ごしやすい気候である。避暑に来た感じになった。
食料や衣料などの物価は日本とほぼ変わらない。給料は日本の3分の1程度であり、決して暮らしやすいとは言えない。観光関連施設で働く人が施設の規模の割にとても多い。しかも、その多くが20~30代の若者である。日本にそのような若者人材をスカウトしたいと思うことになる。
ホテルはヒルトンもマリオットもあり、カジノも併設されるなど、リゾートを目指す地域となろう。
194人乗りの機材で日本人は10人程度、五つ星ホテルで3日間、ついぞ日本人には会わなかった。今回は行かなかったが、ピナツボ火山の火口湖へのトレッキングは魅力的なプログラムである。これからの観光地である。
新潟県の佐渡金山が世界遺産に登録が決まった。外国人強制労働の問題が課題であったが、関係国との折り合いがついての決定となった。負の歴史も史実を正確にしっかり伝えて今日がある。
数多くある国内の世界遺産の多くが集客力が低下している。登録は喜ばしいが、リピーターが取れなければ一過性に終わるのは目に見えている。そこそこのインフラ整備は進めども内容は変わらない。
ガイドインストラクターの人材育成と、島に連泊滞在してもらうための魅力あるコンテンツ開発との組み合わせが必要になる。世界遺産に誘導された客を体験・宿泊・飲食・物産につなげてこそ経済効果と離島振興につながる。登録後の観光振興策に期待したい。