【体験型観光が日本を変える363】100選1位の草津温泉へ行ってみた 藤澤安良


 株価が暴落したと思えば次の日に高騰し、微妙な状態で推移している。円も久しぶりに1ドル=146円前後の円高になり、海外旅行へのモチベーションにつながる。

 株価の揺れに同調するかのように8日、宮崎県日向灘を震源とする震度6弱を観測し、気象庁は東海沖から九州沖にかけて大規模な地震が発生する可能性が高まっているとして、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を出した。その後、熊本県や神奈川県西部でも地震が相次いだ。行動自粛というより、改めて自らの命を守る防災意識が求められている。

 都心は猛暑日が続き、お盆の時期は鉄道や道路は混雑し、宿泊料金は高騰するとあって、8月上旬の平日に群馬県の本紙主催の人気温泉地ランキングの21年連続1位の草津温泉に泊まった。標高は1200メートルあり、都心より7度低い計算になる。夏休みとあって、子供連れの家族から、若いカップル、シルバー層、外国人と客層はさまざま。

 ランドマークであり、湯もみも見られる湯畑周辺は昼間も夜もにぎわっていた。湯畑から遠い宿はマイクロバス送迎を行っている。土産の温泉饅頭(まんじゅう)は何種類もあり、競い合っている。

 客が集まればにぎわいと活気があり、初詣、祭り・イベント・花火、混雑が好きな日本人特有の安心感もあり、相乗効果となっている。駅、バスターミナル、案内所、飲食店などの人が対応している分野ではいずれもレベルが高いわけではない。人は人に指導できない時代なのだろう。

 標高1800メートルの万座温泉にも泊まった。こちらは、平地より10度は低い計算になる。快適な気温である。隣接のスキー場には高山の花が咲き誇り、露天風呂からの雄大な眺めは当地の醍醐味(だいごみ)である。軽井沢まではホテルの無料シャトルバスで向かった。

 かつては避暑地の代表で別荘を持てる財力にあこがれたが、その軽井沢が暑い。樹林の中の別荘が老朽化したり、メンテナンスが行き届かない物件も多数見られた。世代替わりから時代替わりなのかもしれない。アウトレットは多くの若者でにぎわっていたが、買い物袋で目立つのはスポーツブランドばかりであった。エコパックが膨れている様子もなく、財布のひもは固そうである。

 そんなスポーツ用品が売れるのはパリ・オリンピックの日本人の活躍がある。期待されて勝者となる選手、期待をかなえられず不本意な成績で終わる選手、それほどは期待されていなかったが好成績を収めた選手と、悲喜こもごもだが、人生はそう簡単に思うようにはいかないことを知ることも大事だ。

 実力、またはそれ以上を発揮するにはメンタルが大きく影響していることは間違いなさそうだ。メンタルを養うのも場数でありさまざまな経験である。経験を次につなげる人間と生かせない人間とで人生が大きく変わってくる。

 人間がより心豊かに生きるにはあらゆる体験が必要であり、生活の中からその時間と費用を捻出することは後の所得とつながっており、衣食住や学力と同様に大切な体験交流活動を推奨したい。

 
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