【体験型観光が日本を変える369】秋の北海道を訪ねて 藤澤安良


 イスラエルのパレスチナ・ガザ地区侵攻から1年がたとうとしている。その間、ガザ地区での死者は4万人を超えた。また、イスラエルはレバノンにもミサイルを打ち込み、イランにも報復しようとしている。他方、ロシアのウクライナ侵攻も続いており、ウクライナがロシアの領土を攻撃するなど局面が変わり、終わりが見えない状況が続く。

 政治家が成すべきことは私利私欲ではなく公利と人権である。それを考えできる人こそが政治家であるが、自国ですらなかなかまとめ上げられない。戦争のない世界平和への道筋が見えない。真の政治家はどこにいるのだろうか。人間の愚かさ故の結果である。いずれ、戦争が終わるだろうと考えていると犠牲者は増える一方である。

 日本でも、政治家が相次いで能登半島を訪問している。大きく状況を変えるまでにはならない。いずれもスピード感が求められる。観光は戦争も災害もあっては行けない平和の象徴である。誰もが旅に出られる環境づくりが国造りの目標となる。

 10月でも気温が30度を上回る東京から23度と快適な北海道へ飛んだ。温泉と旬の味覚の旅である。

 札幌ラーメンやジンギスカンは定番である。すしや海鮮丼と北海道の秋の味覚は裏切らない。しかし、私は北海道では取れていない輸入養殖サーモンは他のネタと入れ替えてもらった。

 以前、食材の産地偽装で問題になり、スーパーの肉や魚介類、米や野菜は産地が表示されるようになった。食事処で、私はいつも産地は聞いている。消費者の権利として説明を求めていい。

 温暖化に伴う産地や収穫時期の変化が起こっている。とりわけ、水温15度以下を目安に河川に遡上し産卵するサケは海水温の上の影響なのか不漁が続いている。良質な羅臼昆布も不漁である。品薄のウニ・イクラ・北海シマエビも高価な物となっている。

 北海道は主産地ではなかったブリやサバがとれていたり、お米がおいしくなっている。温暖化の中でそれらにどう適応していくかが、生産者や食事提供者の生き残りの鍵になりそうである。

 「食の伝道師」服部幸應氏が亡くなった。「料理の鉄人」というテレビ番組でも解説者を務められ、食育や和食の世界無形文化財の指定にも尽力された。冥福を祈りたい。

 札幌大通公園の休日は日本人の若者が多い。小樽運河は外国人が圧倒的に多い。小樽港から「青の洞窟クルージング」をしたが、一艘11人乗りのボートに日本人4人外国人6人であった。ツアーの主催者はインバウンドのおかげであると言う。

 40年ぶりに定山渓温泉も訪ねたがアジア系のインバウンドを含め高齢者が多い。あくまでも傾向であるが、日本の若者は日帰りや安近短。インバウンドは和食と体験アクティビティと街並みと和の文化である。高齢者は送迎や2次交通のある比較的リーズナブルな温泉旅館である。

 選挙後の新政権はインバウンドに乗っ取られないよう、日本人の誰もが旅行できる境遇(所得と時間)をつくってほしいものである。

 
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