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韓国では多くの犠牲者を出した昨年の航空機事故に続いて、またもや航空機が炎上する事故が起こった。死亡者はなく不幸中の幸いであった。
米国ではトランプ大統領に代わった矢先に首都ワシントンで旅客機と軍用ヘリが激突し双方が爆発した。すぐさま、生存者はいないと発表された。機材のトラブルではなく、事故直前の映像からも人為的なミスをうかがわせるものである。
いずれにしても、航空機の安全性についての信頼が失墜しかねない。人の命を運ぶ運輸関係者の責任感が問われている。
そんな中、中国の春節が始まり、一番人気の日本への航空便はいずれの空港からも満席で飛んだとの報道があった。日本の玄関口、羽田空港と成田空港を結ぶ線上に会社と自宅があるが、通勤時間帯ではなく日中でも大きなスーツケースが通路いっぱいになり、とても混雑している。一瞬、日本ではないような錯覚に陥る。
節分前日、成田空港付近のホテルで身内のパーティーに参加したが、空港から付近の多くのホテルに向かうシャトルバスは、インバウンド客を乗せて引っ切りなしに動いていた。ホテルのロビーにはチェックイン待ちの客であふれていた。
昨年度のインバウンドの人数や消費額がコロナ前を大きく上回った。日本人の動きが鈍い冬にでも、その動きは減速しない。冬の楽しみ方を日本人よりよく知っているようだ。
大雪の情報が相次ぐ日本海側や樹氷の蔵王、北海道ニセコなどのスキー場は人気が集まっている。成田空港でも長く大きく数本入っているスキーケースが横たわっていた。また、大きな段ボールを解体している豪州人がいた。自分の自転車を持参し日本でサイクリング旅行をするという。アニメの聖地を訪ねる人も多い。
また、日本のラーメンを食べたくてとか、本場のすしを食べにきた、○○を買いたくてなど、目的が多様化しはっきりしている。旅の姿が精力的で実にアクティブであり潔い。
マニアックというべきか、ネット情報の取り方が優れているのか、宿泊場所も一流ホテルからゲストハウスや民宿にまで及んでいる。前述のように、コロナ以前を上回って入るが、三大首都圏がプラス71%である。それに比べると地方はピンポイントで大幅アップしている地域があるものの、全体的にはまだマイナスである。しかし、都市圏から地方への大命題の課題解消に向かって、少しずつ動いている。
外国人もバス待ちや拝観料支払いの行列は歓迎していない。オーバーツーリズムで、客側での調整も進むはずである。地方側は自然体験や日本らしい伝統文化体験プログラム、アウトドアアクティビティ、食事、宿泊施設、都会にない地域らしさをアピールすることが求められている。
つまりは、外国人の旺盛なネット検索で引っかかるワードや画像や動画が必要になる。
ガイドブックを持っているインバウンド客はほとんど見ない。知人、友人などのネットの評判で動いている。ネット時代の迅速な対応がインバウンド誘客につながっている。
(2025年2月10日号掲載コラム)