新日本コンピューターサービスのコンピューターシステム開発・販売・保守
新日本コンピュータサービスは、旅館・ホテル専用のコンピューターシステム開発に携わり、間もなく半世紀。現場の声を踏まえた使いやすいシステムと評価が高く、ユーザーは全国におよそ1千軒。新たな基幹システム(PMS)「MACRA」をリリースするほか、人手不足への対応や売り上げ拡大に貢献する各種オプションシステムも充実している。同社の伊原成美社長に製品の概要、新年度の事業方針を聞いた。
――2024年の振り返りを。
「MACRA」の拡販に向けて、その製品の良さを旅館・ホテルの皆さまにアピールするとともに、弊社が扱うさまざまなシステムについて改良に努めた1年だった。
――御社の製品ラインアップを改めて。
基幹システムMACRAは、従来の「フューチャーV」の後継システムとして2021年にリリースしたものだ。オプションシステムの導入など、施設ごとにカスタマイズするに当たり、なるべく低コストでニーズに応えられるようにしたのが特長となっている。
予約管理、フロント会計、顧客管理、それぞれのデータが連動していなかったが、MACRAではこれらの垣根を取り払い、連動を可能にした。例えば現在、どのくらいの予約が入り、売り上げは最終的にどのくらいになるのか等という多様なデータ分析やレベニューマネジメントシステムとのデータ連携等がしやすくなっている。
名称は「マネジメント(管理)」「アシスト(支援)」「カスタマー(顧客)」「リザベーション(予約)」「アカウント(会計)」の頭文字を取るとともに、旅館・ホテルにつきものの「枕」と掛け合わせるなど親しみやすいものにした。
――小規模旅館や宿泊に特化したビジネスホテル向け製品もラインアップしている。
小規模旅館向けには「フロントシステムスマート」がある。フル装備の必要がなく、とにかく低コストで運用したいという施設に向けたシステムだ。ビジネスホテルや簡易宿所向けには「フロントシステムBIZ」がある。いずれもMACRAのプラットフォームを採用してフルモデルチェンジする予定だ。
――オプションシステムは。
予約客やお得意さまからの電話があった際に、その顧客情報を画面に映し出す「CTIシステム」、厨房のモニターにその日の料理に関する情報を映し出す「厨房インフォメーションシステム」、フロントにおける自動精算機との連動システム、食事処におけるセルフオーダリングシステムなどがある。
これらのオプションシステムは、旅館・ホテルの現場で特にニーズが高まっている。人手不足で悩まれている施設が多い中で、自動精算機との連動システムはフロントにおけるチェックインやチェックアウトの作業を軽減したいというニーズに対応できる。
セルフオーダリングシステムは、利用客自身のスマートフォンなどの端末を介して料理や飲み物の注文を行ってもらうシステム。施設が用意したQRコードをかざすことで画面にメニューが表示され、そこで注文をしてもらう。コロナ禍でなるべく人と接したくないとか、メニュー表を触りたくないなどのニーズが高まったことでかなり普及した。利用客が自分のペースで注文できるため、飲料の売り上げが伸びたとか、紙の伝票によるやり取りが不要となったため、精算上のミスがなくなったなどの声を聞いている。
利用客のスマートフォンを介したサービスは、旅館・ホテルのチェックインでも、既に飛行機で普及しているように可能であるほか、スマートフォン自体を客室の鍵とすることもできる。弊社は現在、製品化に向けて研究を進めているところだ。
――2025年の展望を。
現在、北海道から沖縄まで、全国約1千軒に弊社のシステムをご利用いただいている。先ほど述べたシステム開発に加え、さらに多くの旅館・ホテルさまに弊社の製品をご利用いただきたく、営業面で拡大路線をとっていきたい。
MACRAや各種オプションシステムはユーザーの声をお聞きしてさらなるバージョンアップを図りたい。
システム開発要員およびサポート要員を増強中のため、現在の社屋は手狭になり、現在新社屋を建設中だ。今年6月の竣工を予定している。新たな器でより良い製品の開発、サポート体制の充実に努めたい。
■会社概要
【本社】栃木県宇都宮市泉が丘5の7の11
【創業】1978年
【事業内容】コンピューターと関連機器の販売、運用指導、保守管理、ソフトウエアの開発・販売・保守
【資本金】2000万円
伊原社長