ショウエイの温浴用循環型ろ過装置製造・販売
自社による商品開発から製造、販売、メンテナンスまでを一貫して行う温浴用循環型ろ過装置専門メーカーのショウエイ。ろ過装置は、旅館・ホテル、スパ施設、フィットネスクラブなどの浴槽やプールに2万台以上導入されている。同社の長谷川秀法・営業部副部長に主力製品の特徴や今後の事業戦略などを聞いた。
――主力製品は。
ろ過装置の「SPFシリーズ」はFRP製で優れた耐蝕性、対候性、保温性があり、浴槽はもちろん、温泉や海水などの腐食性の高い水質に対しても利用できる。省エネシステム「SBES(ショウエイ・ベイジング・エコ・システム)は、ろ過循環ポンプの効率的な回転数制御を行い電力消費の削減に寄与するほか、電波式入浴者感知器の設置で、入浴者の有無を感知し必要時のみ掛け流し運転を行う。これにより無駄な排水と排熱を抑え、ランニングコストを大幅に削減できる。
――遠隔監視・制御システムの「SBEM」(ショウエイ・ベイジング・エコ・メカニズム)は、旅館・ホテルの大浴場や貸し切り風呂、個室露天風呂などの「監視と制御」を提案している。
SBEMは、ショウエイのメンテナンス通信システムを用いて(1)浴槽温度(2)残留塩素濃度(3)浴槽水位(4)運転状況―などを遠隔監視する。併せて、事前に設定された温度や、塩素濃度の自動制御まで行う。監視、自動制御による人手不足の解消と、安心かつ安定した温浴施設の運営を可能とする。万一、浴槽温度などに異常が認められた場合は警報で注意を促す。
パソコン、スマートフォンなどでリアルタイム監視が可能なほか、集計結果はグラフなどで表示する。システムは施設のフリーWi―Fiと、ショウエイのクラウドにより容易に構築できる。
客室に設置された小さな浴槽でも、掛け流しで使用すれば大変な費用が発生するため、SBEMで制御できればコスト削減はもちろん、業務の効率化にもつながる。
また、客室風呂の浴槽温度も簡単に設定できる。例えば、ぬるめの湯を希望する顧客には38度、熱めの湯を希望すれば42度などと、フロントなどから設定可能だ。
――宿泊施設への提案方法は。
大浴場や、貸し切り風呂、客室風呂など全てに対応したソリューション提案が特徴だ。浴槽はFRP製のユニット式浴槽と、ろ過ユニットシステム、さらに、各浴槽の温度や残留塩素濃度などさまざまな項目の一括監視と制御が可能な「見える化」システムを組み合わせて提案。水光熱費の削減では、納入施設で大きな成果を上げている。
――レジオネラ症対策などの安全対策にも力を入れている。
自動残留塩素濃度制御装置「HJシリーズ」は、レジオネラ属菌対策、水質安全管理に対応する。社内には、水道法登録機関である環境衛生水質分析センターを設けており、安全管理と連動した水質分析業務を行っている点も強みだ。
――ほかに、旅館・ホテル向けの製品は。
浴槽水を加熱する昇温ユニット「子熱」「湯守」だ。子熱は、客室に設置されている内湯、露天風呂などの小型浴槽用。耐蝕樹脂製の小型熱交換器の採用で温泉にも対応。湯量500~1500リットルの浴槽に使用できる。製品特徴は、構成部品が少なく軽量でコンパクト設計ながら確かな保温性能を実現している点だ。湯守は温度の低い源泉掛け流しを、ヒーターおよび給湯器の熱を利用し間接加熱にて温度管理を実現した。
――現在、これらの製品を組み合わせたキャンペーンを展開している。
湯の残留塩素濃度と温度、運転状況にかかる管理の手間を大幅に削減できるキャンペーンを展開中だ。具体的には、自動残留塩素濃度制御装置と、遠隔監視システムを組み合わせたシステムを特別価格で提供している。現在、人手不足が深刻な状況にある宿泊施設を支援する。また、現地調査費用と、サンプルテスト費用は無料で、キャンペーン期間も設けていないので、ぜひ、気軽に問い合わせてほしい。
――最後に旅館・ホテルへメッセージを。
省エネシステムや見える化を採用した施設では、削減できたコストをさらなる高い顧客サービスへ有効活用していただいている。これからも多くの施設に対して、運営状況を踏まえた省エネ見える化システムを、最小の投資で最大の省エネ効果が得られるように提案していく。
■会社概要
【本社】神奈川県川崎市幸区新川崎2の6
【事業内容】プール・浴槽用FRP製砂ろ過装置、水処理用ろ過装置、FRP浴槽、省エネシステム、遠隔制御監視システム、水道用水質監視装置、 スパリラクゼーション機器の製造、販売、管工事業、電気工事業、維持修 繕工事業
【従業員数】220人
長谷川氏
FRP製高性能循環ろ過装置SPFシリーズ
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