修学旅行におけるアレルギー食対応
鹿児島市の「温泉ホテル中原別荘」は、修学旅行の生徒向けに「アレルギー対応食」を開発した。学校、旅行会社、他の宿泊施設に注目されているほか、自館の生産性向上にもつながっているという。
同館には年間約1万2千人の修学旅行生が宿泊しているが、そのうち約1割が食物アレルギーを持つ生徒という。生徒数は年々増加傾向にある。
同館はこれまで「除去」「代替」など、生徒ごとにアレルギー対応をしてきたが、対象者が増加の一途をたどり、対応するには限界が来たとして、「特定原材料27品目を使わないメニュー」の開発に取り組んだ。
メニューはフードコーディネーター1級や管理栄養士の資格を持つ専門家が考案、監修した。食材のほか、調味料も厳選し、味、盛り付け、彩りを一般メニューと遜色ないように仕上げた。
従来の「個別対応」では、配膳時や調理時にミスが発生する危険性があった。しかし、新メニューの開発でリスクが限りなく軽減された。
また、メニューを絞り込むことで作業効率が上がり、調理と打ち合わせスタッフの負担が軽減。ホテルの生産性向上にもつながったという。