もち花づくり
三重県鳥羽市の鳥羽旅館事業協同組合「女将あこや会」は、正月の館内を彩る「もち花」作りを地元の幼稚園児と行った。
「国際観光文化都市」にも指定される鳥羽市には、大規模な旅館から小規模な民宿まで、およそ170軒の宿泊施設がある。しかし、「旅館に入ったことがない」という地元の子どもが多いという。「次世代を担う子どもたちに日本の伝統文化に興味を持ってもらい、将来に継承、発展させたい」。事業はこんな思いから始まった。
石臼ときねを使った本格的な餅つきからスタート。子どもたちは友達の声援を受けながら重いきねを振り下ろし、もち花に使う餅をついていく。出来上がった餅は直径2センチほどに丸め、柳の枝1本1本に白い餅と赤い餅を交互に付ける。子どもたちは手に付く餅に悪戦苦闘しながらも、女将たちとの交流を楽しんだ。「慣れない作業にも、みんな『楽しかった』と話してくれた」とあこや会のメンバー。
「正月を鳥羽で迎えるお客さまへのもてなしの一環として」、もち花は年末から1月中旬ごろまで各旅館に飾られる。「今後も鳥羽ならではの伝統文化を理解し、次世代に継承する取り組みを進めたい」。