岐阜県下呂温泉の睦館は、「地域と調和したデザインの外観改修」「バリアフリー対応和洋室改修」により、「真の『人に優しい宿』となるべく、第一歩を踏み出した」。
JR下呂駅から徒歩2分、温泉街の玄関口に位置する同館。1968年竣工の5階建ての本館は「無骨なコンクリート造りで、周辺の和風建築物と一体感がなく、地域の面的デザインを損ねていた」。
また、客室は全て昔ながらの和室で、段差が多く、「高齢のお客さまに大きな負担をかけていた」。
近年、新築された隣接建築物を設計した設計者に改修工事の設計を依頼。隣接和風建築に使われている「瓦屋根」「格子」を積極的に取り入れたデザインとした。
客室は4階の3室を和洋室に、倉庫を洋室に改修した。4室のうち2室をバリアフリー対応に。上がりかまちの段差を解消し、手すりを廊下に新設するなど体が不自由な人もシームレスに移動ができるようにした。シモンズ社製の高品質ベッドを採用して、「布団での寝起きがつらい」という高齢者にも配慮した。顧客からさらに高い口コミ評価を得るとともに、布団の上げ下げが不要になることで社員の業務軽減も図れた。