大好物の一つ、ラムチョップ。時折どうしても食べたくなるので、たいてい家の冷凍庫にストックしてある。炭火で焼きたいところだが、グリル用フライパンでもOK。あとは濃い赤ワインがあればムチャハッピーなラムチョップ、断然家呑(の)みに限ると思う。ナゼかというと、家族それぞれに焼き加減の好みが「良く焼き派」と「レア派」に分かれているのだが、それに合わせて焼けるから。蛇足だが、筆者はレア派。さらに、骨付き肉は骨の周りがウマイから、最初は気取ってナイフとフォークで食べているのに、いつの間にか骨を手づかみでしゃぶっている。でも、家なら人目を気にせずにいただけるんだもの。
そもそもラムチョップとは、ラム肉をチョップしたもの。チョップとは叩き切るという意味で、1枚ずつに切った骨付きロース肉を指す。ちなみに、切れていないモノはラムラックと呼ばれる。そして、ラムとは言わずと知れた羊肉だが、特に生後1年未満の仔羊のこと。海外では永久歯が生えていないと定義する国もあるようだ。生後1年から2年の羊はホゲットと呼ばれ、それ以上成長するとマトンと呼ばれる。
ラムチョップは、脂身が多い。カリッと焼くと美味なのに、敬遠する人も多いが、実は融点が44~45度ぐらいと人間の体温より高いため、吸収されにくいらしい。また、その脂肪も青魚と同じく不飽和脂肪酸の含有量が多いそうで、悪玉コレステロール低下作用など、さまざまな機能があるようだ。
昨年の話だが、某テレビ番組で、夏の悩みを解消するお肉は、ラム、牛、豚、鶏のうちどれか?という特集が放映された。まず、肥満対策やダイエットに最適な、太りにくい肉の第1位は、脂肪燃焼効果があるL―カルニチンという成分を多く含んでいるラム肉。
免疫力をアップさせ、夏風邪予防になるのも、ビタミンAの含有量がぶっちぎりで多いラム肉だという。ビタミンAには、胃や腸などの臓器に侵入するウイルスや細菌をブロックする働きがあるそうだ。
夏バテ予防や疲労回復が期待できるビタミンB1の含有量では豚肉に負けるものの、熱中症予防では羊肉に軍配が上がった。脱水症状になると血管内の水分も減るので、悪玉コレステロール値が上がり、血流が悪くなる。すると、脳など重要な臓器に血液が行き渡らず、めまいや吐き気といった症状につながるのだとか。先述の通り羊肉は不飽和脂肪酸の一つオメガ3がダントツに豊富なので、血管内の悪玉コレステロールを代謝し、血流を良くしてくれる。
他にも、紫外線から肌を守るビタミンEが豊富など、イイ事ずくめの羊肉。筆者はいつも、ニュージーランド産WAKANUIスプリングラムを通販で調達。春に生まれた、月齢約4~6カ月の仔羊だ。先住民のマオリ語で「肥沃な土地」を意味するWAKANUIの名の通り、大地の恵みを感じるうま味がタップリで、軟らかくて超ジューシー♪ あぁ、食べたくなっちゃった!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。