【口福のおすそわけ 547】食研博2025!~前編~ 竹内美樹


 3月26、27日の2日間にわたり、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された「食研博2025 in TOKYO」の様子をリポート。タイトルからも分かる通り、主催は日本食研。焼肉のたれでおなじみの同社、たれ類の出荷量、出荷金額とも国内第1位。そして意外なことに「からあげ粉」の生産量も日本一なのだとか。他にもハムや冷凍食品など、調味料をはじめ加工調理食品まで、全ての商品を自社で開発、販売。その数何と年間約9500品目にも及び、うち90%が業務用商品だという。

 創業は1971年。創業者で、現代表取締役会長の大沢一彦(おおさわかずひこ)氏が、日本人の食生活も欧米のように肉中心の時代が来ると確信し、香川県高松市のアパートの一室で「畜産加工研究所」を立ち上げたのが始まりだそう。翌年には故郷である愛媛県今治市に本社を移転し、1975年「日本食研」に名称変更。その後大躍進し、1995年には全都道府県に営業所の配置を完了。

 創業30周年に当たる2001年には、愛媛新本社の社屋が完成、翌年その10階に「世界食文化博物館」と「日本食研歴史館・商品展示館」をオープン。創業35周年の06年には、ウィーンのベルヴェデーレ宮殿をモチーフにしたという、あのKO宮殿工場が完成。総工費何と85億円! 実は筆者、うかがったことがあるが、驚きの豪華さ。

 その後、09年に日本食研ホールディングスに商号変更。営業部門の日本食研と製造部門の日本食研製造に分社化した。25年3月時点で国内84カ所に2600人の営業員を擁するまでに。グループとしては国内326カ所、海外事業所10カ国52カ所で社員数4600人、16社の総売上1500億円のマンモス企業に成長した。

 さて、そんな日本食研の展示会とは、いかなるモノか? 招待状に「『見て、食べて、体感していただく』食の祭典」とあったが、会場に近づくにつれおいしそうな香りが漂ってきた。

 入り口から進んで行くと、まずはドレッシングの大きなPOPが目にとまる。昨年6月に5種類のチルドドレッシングを発売、それらをサラダにかけて試食できるコーナーが。筆者が試したのは、24時間以内にすった、すりたてのごまを使用したというごまドレッシング。焙煎度の違う2種類のごまを、摩擦熱で香りが失われないようすり方にこだわり、香ばしさと甘みを演出。

 さらに練りごまやごま油を加えることでコクを深めたという。こだわりがたくさん詰まっているだけあって、ごま感が濃くて超美味♪ ドレッシングとして野菜にかけるだけでなく、ごまだれとして肉に使っても良さそうだ。

 仕込みや調理の時間を短縮できるように下ごしらえした「食研仕込」というシリーズがあり、冷凍の豆サラダも最高の出来栄え。シワがよらないよう、当日の気温や湿度を考慮し、5種類の豆それぞれに炊き加減を調整しているという。

 徹底的にこだわった同社の商品。続きは次号で!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒