JTBループは1日、グループ合同入社式=写真=を東京都内で開催した。山北栄二郎社長は、今年度の新入社員253人に向けて「未来の新しい交流時代を、われわれ全員で力を合わせ、OneJTBとして共に切り拓(ひら)いていこう」と訴えた。
アフターコロナの新しい世界では、三つの社会変化が想定されると山北社長は指摘。一つ目は、「人々の価値観やライフスタイルの変化」で、「ニューノーマルという言葉が定着し、人との接触機会を減らすことや、ソーシャルディスタンスを保つことが当たり前の世の中になった。ツーリズムや交流の在り方も大きく変化していく」と語った。
二つ目は「デジタル化の加速」。感染防止を目的に、非接触や分散のため、デジタルを活用した動きが一気に進んだ。「JTBグループでも、テレワークの促進やオンラインでのプログラム開発を行っている。デジタルを前提とする社会で、さまざまなデータが蓄積され、カスタマージャーニーにおけるお客さま体験をひたすら改善し、エンゲージメントを高めていくことで、新しい価値の実現につなげていく。そういう世界に社会全体が大きくシフトしている」。
「社会・経済における『持続可能性』に対する注目度の高まり」が三つ目。SDGsについて説明したうえで、「JTBグループは、旅行業界のリーディングカンパニーとして、この社会的責任を果たすことを経営方針に掲げている」と語った。
また、これからのJTBグループが社員に求める能力やマインドとして、(1)お客さまの実感価値向上のために、自ら問いを立て、改善に取り組み続ける(2)自らの意志と努力で、必要とされるスキル・知識を自律的に高め続ける(3)OneJTBにおいて自身が果たすべきミッションを成し遂げる―の三つを挙げた。
山北社長は最後に、「人々の交流は必ず回復する。ともに、新しい交流時代を切り拓いていこう」と目の前の新入社員に呼び掛けた。
当日は、3密を回避するために新入社員と一部の役員だけが列席。各グループ会社代表からの新入社員への祝いのメッセージはオンライン配信で行った。