【失敗の法則から学ぶ~宿経営者の仕事大全2】何を目指して宿経営をしているのか? 孫田 猛


 お宿に伺うと、経営者にまずお聞きすることがあります。それは「何を目指して宿経営をしているのか?」です。皆さん一瞬「えっ!?」という表情をされます。突然抽象的な質問をされて、答えに窮するのも仕方ありませんね。でも私は意地悪ではなく、極めて真面目な質問をしています。
 これまでいちばん多かった回答は、「お客さまに喜んでいただく宿になること」というもの。

 次に多かったのは、「利益を出すこと」という回答。

 そして、この二つの回答に加えて、「従業員の雇用維持」や「地域貢献」という声もありました。

 この問いはクイズではありません。したがって正解は一つではなく、お答えいただいた回答はすべて立派な考え方であり、まさしくその通りだと思います。

 では次の質問です。

 「わが宿が目指す姿」をどのような方法で従業員に示していますか?

 「額縁に入れて社長室に飾ってある」

 「幹部会議や全体会議の時に出席者全員で唱和する」

 といった回答や、なかには、「銀行に提出した計画書に書いただけ」という正直な(?)回答もありました。

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