中山間・積雪の被災地で
2004年(平成16年)10月23日に発生した「新潟県中越地震」は、マグニチュード6・8、最大震度7を記録した。その被害は、死者68人、重軽症者は4795人と甚大で、住家被害も全壊3175棟、大規模半壊2167棟、半壊1万1643棟、一部損壊10万4510棟と約12万棟に達した。
この震災は、被害が甚大であっただけでなく中山間地・積雪地という特殊性があった。例えば、震度6強を記録し、死者5人・負傷者25人、住家被害も全壊622棟の被害を受けた山古志村(現・長岡市)では、329カ所もの地滑りにより道路が寸断、孤立してしまったことから避難指示により人口約2100人の全村民がヘリコプターで長岡市の避難所に避難することとなった。
こうした特殊性が考慮され各種の措置がなされた。例えば、災害救助法の住宅の応急修理制度について対象者の範囲、応急修理の範囲および手続きについての弾力的な取り扱い、また、応急修理費用額の限度額60万円への引き上げなどが行われた。
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