【専門紙誌5社共同企画】各紙誌の視点で見る新潟県中越地震からの復興 「温泉の灯を消すな」 観光経済新聞


3館の女将。(左から)和泉屋・田﨑久子さん、蓬莱館福引屋・諏訪利江さん、よもやま館・田中郷子さん

同業者が結束、営業再開

 新潟県中越地震の震源地に近い同県長岡市よもぎひら温泉。温泉地の旅館3軒が地震による壊滅的な被害を受け、長期の休業を余儀なくされたものの、「長岡から温泉の灯を消すな」と県内の同業者らが結束。地震発生から2年3カ月で3軒全てが営業を再開した。

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 長岡市の中心部から南東へ車で約30分。信濃川の支流、太田川沿いの山間によもぎひら温泉はある。

 南北朝の戦い(1390年)で負傷した武将が目の前に現れた龍神のお告げで患部を湯に浸したところ、わずか数日で治癒したという「龍神伝説」がこの地に伝わる。温泉地の歴史はそのおよそ500年後の明治2年に宿が開業したことにより始まり、以降「長岡の奥座敷」として、地域住民や観光客らに長く愛されてきた。

 宿は「よもやま館」「和泉屋」「蓬莱館福引屋」の3軒。温泉はそれぞれ異なる泉質ながら、「つるつるとした美肌効果の高い湯」と共通の特徴を持つ。

 温泉街の見どころは、商売繁盛にご利益があるとされ、県内外から多くの参拝者が訪れる「高龍神社」。ニシキゴイ発祥の地、旧山古志村に隣接することから、この地のキャラクター「鯉乙女」とのコラボグッズも制作し、若者らにアピールしている。

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 地震が発生した2004年10月23日午後5時56分。当日は土曜日ということもあり、3館とも満室。宿泊客がチェックインを終え、これから夕食や宴会を始めようという矢先だった。

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