【専門紙誌5社共同企画】各紙誌の視点で見る東日本大震災からの復興 蓄光塗料で安全対策 塗料報知


2016年における石巻港付近の状況

商材確保や事業持続努める

 東日本大震災において、東北地方の塗料販売事業者に、被害と復興について取材した。

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 岩手県と宮城県に事業拠点を置く企業では、店内や倉庫内の商品が崩れて破損したり、地盤沈下が発生した。取引先でも、大津波で自宅・倉庫・工場などが倒壊・浸水し、犠牲者も出たという。

 復興については、まずは被災地における得意先の安否確認に努め、情報を社内で共有。各地の復興計画進展で、塗料・建材などの需要が通常より多く発生したとのこと。これを機に、今後も商材の安定的な供給に全力を挙げていくという。

 現在でも、災害情報を常に把握して関係各位に連絡し、状況を確認・共有している。災害発生に備え、普段から災害に対する意識を高め、定期的に消防訓練を続けている。またLINE WORKSのアカウントを全社員に付与。業務連絡に加え、有事の際に連絡を取れる体制を整備している。

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 福島県と宮城県で事業を展開している企業の社長は、宮城県にある工場建物の調査業務中に被災した。宮城県内の拠点を確認したところ、浸水はまぬがれていたものの、物資類が散乱し、片付けに難儀したとのこと。

 福島の本社では、建物は半壊、倉庫も塗料が倒れ、流れ出ていて足の踏み場もない状態であり、多額の損害が発生した。

 取引先などの確認は、福島第1原子力発電所の事故からの避難で制限。燃料の確保も困難で、業務再開は困難ではないかと感じたという。さらに、原発事故の影響で、福島県を通過させない物流の動きもあったものの、養生材、刷毛、ローラー、建築用の白ベース、下塗材、シンナーを大量購入して復興需要に備えた。

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 東日本大震災発生から5年が過ぎた2016年3月、本紙は宮城県震災復興政策課に取材をしている。復興計画は10年間を3期に区分し、2011~13年度は「復旧期」として、被災者支援を中心に生活基盤や公共施設を復旧させた。

 2014~17年度は「再生期」であり、直接の被害者だけでなく、震災の影響により生活・事業等に支障をきたしている人々への支援の充実と、宮城県の再生に向けたインフラ整備などの充実に注力。2018~20年度を「発展期」とし、県勢の発展に向けて戦略的取り組みを推進してきた。

 塗料による安全対策も実施されている。高台へ上る避難階段に蓄光塗料を塗装し、暗い夜でも夜間に浮かび上がる”光る避難階段”が岩手県内にある。高輝度蓄光塗料推進協会が岩手県内の企業と連携して開発した、RM(Relief Marking)蓄光塗料だ。既存の蓄光塗料との大きな違いは、発光時間が長く、屋外のコンクリートなどにも塗れ、雨や紫外線にさらされても10~15年の耐久性を備える。ビルで入り口のスロープや、段差部分にも施工実績がある。

(塗料報知)


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