四国、徳島県の西部「そらの郷」は、四国の中央に位置するにし阿波(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町)エリアです。「大歩危・祖谷」「吉野川」に代表される自然、歴史文化、伝統や伝承、さらに独自の食文化、伝統芸能に彩られた全国屈指の観光地域であると共に、素朴で温かみのある古き良き暮らしが今もなお息づいています。
そらの郷の民泊家庭は、その多くが山腹の急傾斜地に、張り付くように形成される集落に存在し、特有の文化的背景を形成しています。山畑のコエグロ、石積み、人家などが、一つとなった傾斜地における自然共生の風景こそが「日本一の田舎」や「桃源郷」とも称される、日本の原風景です。
生徒たちは家族の一員として迎えられ、茶摘みやタマネギ、ジャガイモ、雑穀の収穫など、少量多品種の自給的農業を協働します。収穫した旬の野菜や山菜を使って田舎料理を共同調理、家族団らんの食事での心の交流。高度な土地利用が成す、エシカル農業ライフや、生物多様性を補完し貧困問題の解決に寄与するサスティナブル農法など、各種SDGsコンテンツの実践体験によって”日本一”の厳しさを豊かに変える暮らしを学びます。
そらの郷は「地方創生の成功事例」といわれ、2016年、農林水産省から「食と農の景勝地」の認定。18年、国連食糧農業機関(FAO)から「世界農業遺産(GIAHS)」の認定。20年には、第17回オーライ!ニッポン大賞、「内閣総理大臣賞」を受賞しています。またSDGsの実践現場としてESDの地域推進拠点に登録されており、「PBL(課題解決型学習)×STEAMプログラム」を実施しています。各校のテーマに沿って、フィールドワーク・WS、ディスカッションなどを組み立てる、ほんもののSDGsアクティブラーニングです。コロナによるパラダイムシフト、そしてVUCAの時代に対し、社会に対し、社会に開かれた教育現場「日本一の田舎」として、未来を変える若者を育成します。
なお、withコロナの民泊受け入れが功を奏し、民泊HACCP衛生管理を導入するなど、品質のアップデートに成功しました。全ての民泊家庭やインストラクターは、研修の安全衛生講習を受け、危機管理や安全対策に関する万全の体制を整えています。
■民泊阿波おどり=集落のにぎわいとして、念仏踊・風流踊の阿波おどりが継承されてきました。過酷な農業疲れを吹き飛ばす芸能娯楽。離村式では輪踊りで再開を誓い門出を祝います。農文化継承のSDGs特別プログラムも実施中。
■吉野川ラフティング=日本三大暴れ川、吉野川は世界クラスのラフティングコース。2017年、日本初の世界選手権を開催。仲間とボートを操り、激流を乗り越え、五感で自然と対峙(たいじ)します。
■吉野川パークゴルフ=多世代交流型のスポーツを介し、河川環境マインドや心身の健全な成長を促し、社会的コミュニケーション能力を身につけます。
傾斜地に点在する「天空の里」で田舎暮らしを体験