地熱発電開発は慎重に
皆さま、新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大が収まることがなく、大変な年でありましたが、3年ぶりとなる全国大会を箱根湯本温泉(神奈川県箱根町)において盛大に開催することができました。これも関係各位のご理解とご協力の賜物と思い、紙面をお借りして感謝申し上げます。
特に昨年は観光関係各位の御尽力で、政府による「全国旅行支援」が実施され、温泉地は息を吹き返そうとしています。少しずつではありますが、インバウンド需要も回復してきています。当協会といたしましても外国人向けのエチケットポスター販売で外国人需要の促進に寄与していく考えです。
さて、日本温泉協会では、本年も次の3点を主題として活動していく所存ございます。まず第一に地熱開発は慎重に。温泉地周辺での地熱発電開発は温泉源に影響が出る可能性があり、慎重に議論していただきたい。今年は環境省が定めた「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」が5年に一度の改訂見直しの時期であり、当協会では地熱対策特別委員会が中心となって検討作業をすすめています。
第二に日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産登録へ。温泉文化は日本の大切な無形文化遺産ととらえ、国内外に日本の温泉の素晴らしさを伝える良い機会です。昨年11月には、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟(会長・衛藤征士郎衆議院議員)と、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会(会長・蒲島郁夫熊本県知事)が設立され、登録推進の機運が高まっております。また、12月に開催された全国温泉振興議員連盟(会長・中曽根弘文参議院議員)の総会では、登録実現に向けて全国に支援の輪が広がるようさらなるご協力をお願いしてまいりました。次年度以降は他業種などにも働きかけ国民運動にしていきたい考えです。
第三に「温泉検定」の実施を通じて温泉事業者、温泉利用者への啓蒙活動も継続してまいります。温泉検定とは、日本の温泉についてさまざまな学問的アプローチで研究された成果を学習することによって、温泉に関する知識を深め、日本の温泉文化を国内外に紹介できる人材を育成し、日本の観光と温泉地の発展、国民の健康増進に寄与することを目的として実施いたします。
当協会は2029年に迎える創立100周年に向け、本年も邁進(まんしん)してまいりますので引き続きご支援ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願い申しあげます。