【旅行会社トップの年頭所感】「アライアンス」で大型企画を 読売旅行社長 貞弘貴志


読売旅行社長 貞弘貴志氏

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 2025年は、大阪・関西万博がいよいよ開かれます。こうした大型プロジェクトや旅行需要のさらなる多様化に対応するため、当社は多様なパートナーの皆さまとの「アライアンス」を推進していく計画です。

 まずは万博。バス会社やJR西日本をはじめとする鉄道各社のご協力をいただき、全国各地できめ細かく集合場所や交通手段を設定したプランを新春に発表したところ、地元関西の周辺都市や中四国など地方でご好評をいただき、手ごたえを感じています。

 宿泊施設や立ち寄り施設の会員の皆さんで構成する読売旅行協力会とは、昨年のクリスマスに開催した「大琉球まつり」で約1千人を動員したり、各地で「温泉まつり」を開催したりと、イベントを開催して集客する取り組みを広げています。

 この同じページに今年も寄稿しておられるであろう日本旅行や農協観光とは、2024年に共同企画の旅行商品を販売しました。今年はさらに規模や商品数を拡充できればと考えています。遊び予約サイトのアソビュー社とはシステム連携が近々、本格稼働する見込みで、個人型商品「ブーケ」に魅力的な旅ナカ選択肢が加わることになります。

 そして、当社にとって最大のアライアンス相手は、何といっても読売新聞グループ各社と全国に広がるYC(販売店)網です。他の全国紙が地方の取材・販売網を縮小する中、読売新聞は「唯一の全国紙」として地方の機能を維持・強化しています。当社はこの動きと連動してYCとの連携をさらに強め、新規顧客の発掘などにともに取り組むことで相乗効果を高めていきます。

 昨年、リーグ優勝を果たした巨人に関しては、インバウンドの観戦商品の取り扱いが24年は前年比10倍に急成長しており、今年は飲食業の皆さんなどと連携してスポーツホスピタリティ事業として進化を図ります。読売グループでは今後、5万人収容の「築地スタジアム」や、自然の中でポケモンと出会えるテーマパーク「ポケパーク カントー」の開業など大プロジェクトが次々に始動し、当社が集客や旅行商品の企画などの一翼を担う予定ですが、世界からのインバウンド集客など、当社だけでは手に余る業務では同業・異業種を問わず積極的にアライアンスを探っていくつもりです。

 アライアンスは安全保障分野では「同盟」と訳され、同じ目標を持つ国々が深い協力関係を築き、共栄を図ることを指します。当社も、志を同じくする皆さまと相互利益をもたらすアライアンスを築き、25年を充実した1年とすることを心から願っています。

読売旅行社長 貞弘貴志氏

 
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