人手不足問題は、他業界の先進的な取り組みに目を向けて、良い施策を積極的に取り入れていくことで解決できる。業界特有のやり方があるからと諦めてはいけない。採用と離職防止の両面から対策を実施したい。
採用力を向上させるには、休日等の待遇改善を行うことが有効な手段だ。例えば、求人タイトルを「完全週休2日制、各種手当充実、賞与年2回、リフレッシュ休暇あり」としたところ多数の応募があった。休日数は求職者が最も気にするポイントである。休日の少ない運輸、飲食、建設の人手不足が深刻となっていることからも明らかだ。年間休日110日以上を目標として、リフレッシュ休暇の導入も検討したい。諸手当や賞与は少額でも規程に盛り込み、他業界と比べ見劣りしないようにしよう。
離職率を低下させるには、従業員支援プログラム(EAP)の導入をお勧めしたい。旅館の業務はスタッフ同士の密着度が高いため、対人関係のトラブルが不安や悩み、ストレスにつながりやすい。例えば、皆さまの職場で対人関係のトラブルや雰囲気の悪化、業務上のミス、欠勤・遅刻、やる気の低下が頻発し、離職率が上昇しているならば、会社のメンタルヘルス対策の遅れが原因と言える。EAPは自社だけで取り組むことも可能だが、自社で対応が難しければ外部委託や、旅館共同での取り組みを検討しよう。
青木氏