【旅館ホテルのおもてなし 17】ご予約からお見送りまで4 大谷 晃


 ●お出迎え

 「最前線のスタッフの15秒間の接客態度が旅館ホテルの評価を左右する」とまで言われるくらいですから、お出迎えは特に重要です。ここでお客さまに良い印象を持たれると、滞在中も「良い旅館ホテル」として記憶に残ります。反対に、お出迎えの印象が悪いと、あとあとまでお客さまに悪いイメージが残ります。それを肝に銘じて、お出迎えしましょう。また、お迎えを表示する看板のお名前を再確認しましょう。

 多くのスタッフでお迎えする

 なるべく多くのスタッフでお出迎えをしましょう。その際、明るく元気な声を出します。声が小さいと暗い印象を持たれます。

 お声がけの言葉をいくつか用意

 到着されたら、「お疲れさまでございました」「お足元にお気をつけください」など、お声がけをします。ただし、ワンパターンにならないようにします。その場にふさわしい言葉をいくつか用意しておきましょう。また、お客さまの中にはお疲れだったり、声をかけられるのを嫌う方もいらっしゃいます。お客さまの表情などをよく見て、適切な行動をとります。

 お客さまのお名前で呼ぶ

 「〇〇さま、いらっしゃいませ。お待ち申し上げておりました」などと、お客さまのお名前で呼ぶことが大切です。外国人のお客さまも同様です。お名前が分からない場合は、「お客さま」「お連れさま」とお呼びします。

 お荷物を運ぶ

 最近は、多くの方がキャリーバッグを使用されます。できるなら持ち上げて運び、重いようなら台車を使います。音を出さない運び方を工夫してください。

 雨や雪の日は

 ご到着の時間がわかる場合、雨や雪の日はタオルを用意し、お客さま用の傘を持って車やバスの駐車場でお出迎えをしましょう。

 海岸からサンダル履きのままお越しになるお客さまには砂がついたまま館内を歩くのをご遠慮いただくため、入り口で靴底の砂を落としていただきます。その用意をしておきましょう。

   *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。


       

 
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