ところで、タトゥー(入れ墨)に関してですが、タトゥーがあると入浴を断る旅館ホテルが多いのは実状です。外国ではタトゥーはファッションという考え方ですから、断られる理由が分からないと言います。日本ではタトゥーは暴力団関係者の象徴と見る向きが強く、他のお客さまに威圧感を与えることから一様にお断りしています。最近は、外国人のお客さまに対しては、旅館ホテルでも「肌かくしシート」などを用意し、使っていただくようにお願いをしているところもあります。しかし、これではせっかく温泉を楽しみたいと思っている外国人のお客さまを失望させる結果になってしまいます。外国人のお客さまが急増される中、旅館ホテル全体で考える、差し迫った課題と思われます。
【外国人によく聞かれること】
シャワー付きトイレ
外国人に評判のシャワー付きトイレには一般に、「おしり」「ビデ」などのボタンが付いています。他に乾燥ボタンが付いている物もあります。おしり(洗浄)、ムーブ、ビデ、乾燥が基本です。まず、「おしり」ボタンを押して洗浄します。もう一度押すと、洗浄が停止します。ビデは女性のデリケートゾーンを洗浄するために使う物です。
注意点としては水温を少し高めにし、水の勢いは最弱にしておき、皮膚を傷めないために使用時間は5秒程度にとどめましょう。
浴衣の着方
女性=浴衣を着たら、背筋をぴんと伸ばし、裾の左右の長さが同じになるようにそろえます。合わせる時は右が下になるように。「右が先、左は後」と覚えましょう。襟元は喉元が見えるくらいの隙間を開け、後ろは、襟の後ろを引っ張って少しだけ広げ、こぶし一つ分の隙間を開けると、見た目がきれいです。帯を巻き、前で結びます。
男性=基本的な着方は女性と同じですが、男性の場合は腰骨の上に帯を巻きます。まず帯の真ん中がおへその下にくるようにして、前から後ろへと巻き付けます。一周させてから前に帯の端を持ってきて、巻き付けた帯と結びます。結び目は後ろです。帯を回す時は時計回りで。反対だと浴衣が乱れてしまいます。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。