【旅館ホテルのおもてなし 44】和室での立ち振る舞い2 大谷 晃


 ●座る・立ち上がる

 畳に座る時の所作は次の通りです。

 ・背筋を伸ばし、両膝を折り、垂直に体を沈めます。猫背になったり、手をついたりしないように注意しましょう。膝が床につき、腰を落として、かかとの上にお尻がのった状態にします。

 ・次に、あごを引き、背筋を伸ばしたまま正座に入ります。しびれずに座り続けるには、体重を左右の足に均等にのせることがポイントです。両膝を合わせ、足の親指同士を重ねます。姿勢が整ったら衣服の裾などの乱れを直しましょう。

 立ち上がるときは、この逆をたどります。背筋を伸ばし、腰を浮かせてつま先を立てます。次に垂直に立ち上がります。このとき、背筋が丸くなったり、腰を折らないように注意します。しびれが切れていたら慌てずに、少しほぐれるまでそのままの姿勢で待ちましょう。転びそうなほど不安定な場合には無理をせず、畳に手をついていてもマナーには反しません。

 ●跪座(きざ)

 立った状態から正座するときの、あるいは正座から立ち上がるときの途中の姿勢をいいます。床に膝をつけたまま両足のかかとを立て、お尻がそれにのった姿勢が跪座です。

 姿勢を美しく整えるポイントは、かかとを開かないようにすること、背筋をぴんと伸ばし、上体がきれいに見えるようにすることです。

 立ったり座ったりする途中で入る姿勢なので、料理を出したり器を下げたりすることの多い仲居にとっては、安定した動作ができるのも跪座の良いところです。

   *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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