日本酒の味と香り
日本酒は他のお酒と異なる独特の味と香りを持っています。
●香り
吟醸香とよく言われますが、これは、リンゴやバナナやメロンのようなフルーティな香りを指します。また、熟成させた日本酒は芳醇な香りがし、干した果物やスパイスなどに例えて表現されます。
●味
日本酒には甘い・辛い・濃い・淡いの違いがあります。また、多少のコクの違いもあります。甘辛、濃淡、コクは、アルコール分や糖分、酸味、アミノ酸の度合いで違ってきます。
●色
日本酒は無色透明に見えますが、原酒には多少の色がついています。仕上がりの色や透明度は製造工程の違いから生まれます。一般的に、もろみをこす作業の上槽が控えめな酒は透明度が低くなり、また貯蔵期間が長いと色が濃くなります。
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日本酒と器
●酒器の種類
日本酒には他のお酒とは異なる独特の酒器が用いられます。
徳利(とっくり)、お銚子
日本酒を入れる代表的な酒器といえば徳利とお銚子です。これらを同じ物と思っている人も多いようですが、本来は違います。徳利は普段よく目にする物で、口が細く下部が広いひょうたん型をしています。
一方、お銚子は長い柄と細い注ぎ口の付いた、急須型をしています。結婚式の三々九度やお正月などに使われます。お店の人がよく、「お銚子一本!」と言ったりしますが、それは本来のお銚子ではなく徳利を指します。
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。