【旅館ホテルのおもてなし 53】日本酒と器2 大谷 晃


 猪口(ちょこ)、盃(さかずき)、ぐい呑み

 どれも同じように思えますが、違いがあります。

 ・猪口

 陶製の小さな酒器。口が広くなって底がすぼまった形をしています。猪口と徳利はセットになって出されることが多いようです。

 ・盃

 日本酒の酒器の一つで皿状の形をしています。皿部分の下には高台という小さな円筒がついています。一般の宴会などではなく、神事や結婚式、祭事などで使われます。

 ・ぐい呑み

 猪口と似ていますが、猪口よりも一回り大きいのがぐい呑みです。ぐっと飲むことからこの名がつけられた、という説も。その名の通り、ぐいぐい飲む時に向いています。ぐい呑みには徳利は使わず、そのまま飲むのが普通です。

 ●酒器で変わる味わい

 酒器だけでなく器全般に言えますが、その土地で作られた器をその土地の食材でできた料理と合わせると、いっそうおいしく感じられます。同じ水、同じ土が微妙に作用し合って、味わいを高めるようです。

 さて、日本酒を飲む時ですが、酒器にもこだわると、味わいも違ってきます。

 ■「口径(口の広さ)」で選ぶ

 酒器の口の広さは香りに影響を与えます。それは酒器に注がれたお酒の表面積によって、香りの立ち方が違ってくるからです。口径が広いと、ふわっと広がる香りがします。反対に狭いと、香りが広がりにくいため、それがストレートに感じられます。純米吟醸酒を冷やして飲む時は、小さめで口の広い酒器が合っています。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。 

  

 
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