【旅館ホテルのおもてなし 57】日本茶の種類1 大谷 晃


 日本茶を知る

 旅館ホテルにとって日本茶は欠かせない飲み物です。宿泊のお客さまが到着してお部屋に入られると、お客さまが最初に口にされるのが日本茶です。また、食事時に旅館ホテルが提供するのも日本茶です。日本茶は日本人にとっては、毎日当たり前のように飲まれている飲料ですが、外国人のお客さまにとっては初めて目にする、口にする飲み物です。

 なにごともそうですが、最初の印象はあとあとまで影響します。旅館ホテルで出される日本茶がびっくりするほどおいしければ、「日本茶って、こんなに良いものなのか」と、認識を新たにするでしょうし、他の人にも勧めるでしょう。外国人だけではありません。日本人にとっても改めて日本茶を見直す機会になります。

 この素晴らしい日本茶をお客さまに勧める上でも、日本茶について知っておくことは大切です。聞かれた時に十分答えられるようにしておきましょう。

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 日本茶の種類

 日本茶には栽培方法の違いによって、いろいろな種類があります。

 ●煎(せん)茶

 「お茶」といえば、煎茶を指す場合が多く、一番多く飲まれているお茶です。新芽が出て摘み取るまでの間、日光に当てて栽培します。蒸してもんで荒茶を製造する最も一般的な製法で作られます。

 うまみと同時にほど良い渋みや苦み、爽やかな香り、すっきりとした味わいが特徴です。

 ●深蒸し煎茶

 普通の煎茶の倍の時間をかけて茶葉を蒸して作るお茶です。粉っぽいですが、青臭みや渋みがないのが特徴です。お茶を入れた際に茶葉そのものが多く含まれるため、水に溶けない有効成分も取ることができます。

 ●玉露(ぎょくろ)

 特殊な栽培方法によって作られるお茶です。煎茶が日光を遮らず作るのに対し、玉露は初期は70%前後、摘み取り時期は90%以上覆いをして日光を遮断します。これによって甘みとうまみ、コクのある味わい深いお茶が生まれます。遮光栽培独特の覆い香といわれる香りが特徴です。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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