●碾(てん)茶
栽培方法は玉露(ぎょくろ)と同じです。煎(せん)茶や玉露が酸化酵素の働きを止めるために蒸し、もみながら乾燥させるのに対し、碾茶は蒸した後、もまずに乾燥させます。また煎茶や玉露のように茶葉の形を針状にもしません。渋み成分のカテキンが少なく、うまみの濃いお茶です。
●抹(まっ)茶
碾茶を茶臼でひいて微粉末状にしたお茶です。主に茶会の席で用いられますが、自宅で楽しむ人も多くいます。
●番茶
収穫後、畑をならすために刈った茶葉や、伸びたり硬化の進んだ茶葉を使って作られるお茶で、安価です。味はマイルドで、子供やお年寄りにお勧めです。
●ほうじ茶
煎茶、番茶、茎茶などを強火で炒って、香ばしさを引き出したお茶です。葉は茶色をしています。すっきりとした軽い味わいが楽しめます。
●玄米茶
水に浸して蒸した米を炒ったところに番茶や煎茶などを加えて作ります。炒り米の香ばしさと、番茶や煎茶のさっぱりとした味わいの両方を楽しめます。
●摘む時期で異なる呼び名
「夏も近づく八十八夜……」という歌は、新茶の茶摘みの光景をうたったものですが、この歌にあるように立春から数えて88日目、つまり5月初旬に、その年最初の茶葉の収穫期を迎えます(地域により4月~5月)。そこで、次のような呼び名がついています。
1番茶―4月~5月に出てきた茶葉が摘みとられ、製造されるお茶
2番茶―6月ごろ2回目として摘みとられ、製造されるお茶
3番茶―7月~8月に3回目として摘みとられ、製造されるお茶
4番茶―9月~10月にかけ4回目に摘みとられ、製造されるお茶
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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。