【旅館ホテルのおもてなし 66】料理のいただき方2 大谷 晃


 ●お造り(刺し身)

 旬の魚介類を一皿に盛った料理です。刺し身を食べるのに決まり事はありませんが、淡白な物から濃厚な物へと移っていった方が、素材の持ち味をよりおいしく味わうことができます。美しい盛り付けを崩さず、白身から赤身へと食べやすいように、1人盛りの刺し身も、手前から白身魚やイカ、次いで貝などの黄色い物、奥へ行くに従って赤身という順で盛り付けられています。

 ワサビの使い方

 ワサビをしょうゆに溶かすことは間違いではありませんが、味が全て同じになってしまうので、刺し身に直接付ける方が、それぞれの素材の味が楽しめ、またスマートです。

 妻の食べ方

 妻とは、刺し身などの脇に添える千切りした大根やニンジン、海藻のこと。単なる飾りではなく、魚と魚の合間に食べることで口の中をさっぱりさせます。

 ●煮物(炊き合わせ)

 関東では「煮物」、関西では「炊き合わせ」と呼ばれ、海の幸、山の幸、里の幸などの季節の食材を取り合わせ彩りよく盛られた料理です。最初にその美しい盛り付けを目で味わってから、箸を付けるようにします。

 煮物はふた付きの煮物わんで出されることが多くふたの扱いはお吸い物の時と同じです。大きな素材は食べやすいように切ってありますが、それでもサトイモのようにつるつるすべって箸で扱いにくい物もあります。その際素材を箸で突き刺したり、箸を1本ずつ持ってナイフ、フォークのようにして切るのはマナー違反です。小ぶりな器であれば手で持ち上げ、大ぶりな器の場合はふたや懐紙を受け皿として使いましょう。

 懐紙とは二つ折りにして、和服の懐などに入れておく和紙のことで、さまざまな場面で使うことができ便利です。わん内に残った汁は口をつけていただいても良いとされています。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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