【旅館ホテルのおもてなし 67】料理のいただき方3 大谷 晃


 ●焼き物(鉢肴)
 焼き物の盛り付けには決まり事があります。尾頭付きの場合は、頭を左側、腹を手前側に、ただし川魚は、背が手前、腹が奥になることがあります。切り身の場合は、皮の付いた方が向こう側になるように置きます。

 焼き物と一口に言ってもいろいろあります。塩焼き、照り焼き、幽庵焼き、木の芽焼き、奉書焼き、杉板焼き、西京焼きなど。

 いただき方ですが、尾頭付きと切り身とでは異なります。

 ■尾頭付きの場合
 魚の背側から箸をつけます。身をほぐし、上身を食べ終わったら懐紙で魚の頭を押さえ、箸で中骨と頭を外します。

 外した骨は魚の向こう側に置きます。そのあと下身をいただき、食べ終わったら頭や骨はまとめておきます。魚をひっくり返すのはマナー違反です。

 ■切り身の場合
 切り身の魚は、あらかじめ大きな骨などは取り除かれ、食べやすく調理されています。日本料理の基本通り、左側から一口ずつ箸で切っていただきます。

 焼き物にすだちやかぼすなどが添えられていたら、利き手の指先で焼き物の上から絞ります。

 ●揚げ物
 揚げ物には、素揚げ、唐揚げ、衣揚げなどいろいろあります。揚げ物の素材は旬の魚や野菜です。敷紙が敷いてある器の奥側にエビなどの大きな物を、手前にくるほど小さな物、淡白な味の物を盛り付けます。手前から順にいただきます。

 天つゆの器は手に持ってかまいません。つゆが垂れないですみます。また、エビやイカなどの大きな物は、かみ切ってもよいとされます。ただし、手で口元を隠すなどの配慮は必要です。エビの尾も、よく揚がっていれば食べられます。

 ●蒸し物
 魚介類を主役に他の食材と組み合わせて調理した料理で、熱いうちにいただきます。茶わん蒸し、酒蒸し、かぶら蒸し、信州蒸し、土瓶蒸しなどがあります。

*    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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