【旅館ホテルのおもてなし 68】料理のいただき方4 大谷 晃


 ●酢の物(酢肴)
 基本的には献立の最後に出されます。特に、揚げ物の後にくるのには理由があり、口の中がさっぱりするように工夫されています。二杯酢、三杯酢、黄身酢、土佐酢などがあります。

 ●お食事(ご飯)
 お酒が一段落したところで出されるのがお食事です。これには、ご飯、留椀(とめわん)(止椀)、香の物、もしくは、お茶漬け、雑炊、うどん、そばが供されます。また、ここでほうじ茶が出されます。お食事になったら、お酒はおしまいにします。

 配膳はご飯茶椀が左、右には留椀と呼ばれるみそ汁を置きます。お膳の向こう側に香の物を置きます。また、ご飯の代わりに雑炊やうどん、そばなどが出る場合は、汁物は出ません。

 お食事がご飯の場合、まずご飯のふたを取り、利き手で器を押さえ、反対側の手でふたを開けて上向きにします。利き手でふたを一度持ち、次に反対の手で上から持ち換え、お膳の左側に上向きにして置きます。次に留椀のふたを、吸い物を扱うのと同じ要領で開け、ふたを上向きにしたまま、お膳の右側に置きます。まずご飯を一口いただいてから留椀、香の物と交互に進みます。いただき終えたら、ご飯、留椀のふたをします。

 ●水菓子(果物)
 最後にお出しするのが水菓子です。夏によく食べる水ようかんなどを連想しがちですが、本来水菓子は果物を指します。しかし、今はアイスクリームや和菓子、くず切りなどを出すこともあります。水菓子にはスプーンやフォークが添えられます。まず利き手ではない手を添え、利き手側から一口ずついただきます。日本料理は基本的に左側から手をつけますが、スプーンやフォークのような洋食器を使い、さらにすくって食べるような場合は、利き手と反対側に食器を持ち、すくって口に運ぶのが自然です。そのため右手が利き手であれば、右側からいただくことになります。

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■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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