【旅館ホテルのおもてなし 78】飲み物をサービスする③ 大谷 晃


 ●ワイン

 日本酒同様、醸造酒で繊細な飲み物ですから、注ぎ方にも取り扱いにも慎重を要します。

 ワインは温度が重要なポイントです。通常、赤ワインは常温がよいとされますが、それはヨーロッパにおいての話です。わが国では12~16度が適温とされます。白ワインは8度前後、ロゼワインは10度前後。それぞれの適温はボトルや箱に表示がありますので、それに準じて管理しましょう。

 ■ワインの注ぎ方

 ボトルを開栓する前に、まずワインの銘柄、品種、産地などを主催者または幹事に確認していただきます。「この赤ワインは、ブルゴーニュ産のロマネ・コンティです」のように内容を告げ、「いかがでございますか」「これでよろしいでしょうか」と了解を得てから開栓します。

 ワインのボトルは、利き手でボトルの正面(ラベル側)を上にして中央部よりやや下方をしっかりと持ち、注ぐ時に、ラベルが見えるようにします。反対側の手で小形のワインナプキンを持ち、下方からボトルを支えるようにすると安全です。

 始めは静かに細く、しだいに太く、終わりに近づくにつれ細くゆっくりと注いでいき、注ぎ終わる時は、手を向こう側に回しながらグラスの上方に上げていきます。左手のワインナプキンをボトルの口先に近づけるようにして、しずくが垂れるのを防ぎます。

   *    *

 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。


(観光経済新聞12月2日号掲載コラム)

 
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