【旅館経営ワンポイント講座 26】白洲次郎が残した名言 渡辺清一朗


 真夏のような暑さが続く9月。3日続けての告別式。戦中戦後を生き切った方々とのお別れだった。そんな折ふと1985年に83歳で「葬式無用、戒名不要」の遺言を残し亡くなった白洲次郎のことを思い出した。

 占領下の日本において、「従順ならざる唯一の日本人」とGHQに言わしめた白洲次郎。また、サンフランシスコ講和会議(1951年9月)では、当時の首相・吉田茂が英語でスピーチを行おうとしていたところ彼は日本語でのスピーチをするように変更させたというエピソードも残っている。

 以下に彼の名言をいくつか紹介したい。

 「いま日本でいけないのはすぐ人の脚をひっぱること。これは大変なやつだと思うと脚をひっぱる。だから日本で何かのトップにゆくやつは、毒にも薬にもならないやつが大部分だよ」

 今の日本でも出るくいは打たれる。出ようと思えば突出するしかないのは時代を問わない。

 「人に好かれようと思って仕事をするな。むしろ半分の人には嫌われるように積極的に努力しないと良い仕事はできない」

 八方美人では八方ふさがりとなってしまうということか。

 「プリンシプルは何と訳してよいか知らない。『原則』とでもいうのか。日本も、ますます国際社会の一員となり、われわれもますます外国人との接触が多くなる。西洋人とつき合うには、全ての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である」

 「プリンシプルのない日本」を著した白洲次郎の真骨頂。

 「われわれは戦争に負けたが、奴隷になったのではない」

 この言葉には説明はいらないでしょう。

 「今の日本の若い人に、一番足りないのは勇気だ。そういうことを言ったら損するってことばかり考えている」

 昔も今も変わらない。やらない理由を探すよりやる目的を見つけることが大切だ。

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