【旅館経営ワンポイント講座 41】「昭和100年」を振り返る 渡辺清一朗


 2025年、昭和100年が明けた。年頭に当たってまずはこれまでを振り返ってみたい。

 1900年代初頭、世界一ともいわれた海軍力を誇った日本は昭和という時代をどのように歩んできたのだろうか。

 昭和元年(1926年)昭和に改元。

 昭和2年(1927年)の昭和金融恐慌を経て昭和4年(1929年)には世界恐慌が起こる。

 昭和6年(1931年)満州事変を起こし満州国建国へ、国際的に孤立し始める。

 軍部が力を握った日本は昭和12年(1937年)日中戦争に突入。戦争目的ならば何でもありという国家総動員法制定へと進む。

 昭和14年(1939年)ドイツのポーランド侵攻により第2次世界大戦開戦。この時点では日本はまだ参戦せず。昭和16年(1941年)真珠湾攻撃により参戦。

 昭和19年(1944年)昭和東南海地震により東海地域の軍需工場が壊滅的打撃を受ける。

 昭和20年(1945年)敗戦。40年余りの間に日本は絶頂とどん底を経験することとなる。

 昭和22年(1947年)日本国憲法施行されるが実質的な植民地状態は今日まで続く。

 昭和25年(1950年)朝鮮戦争勃発。戦争資源供給が経済的復興の足掛かりとなる。

 昭和26年(1951年)サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約が締結されるが、真の独立国となったのかは怪しい状況。

 昭和29年(1954年)自衛隊が設置される。

 昭和33年(1958年)戦後復興のシンボルでもある東京タワーが完成。

 昭和35年(1960年)ベトナム戦争勃発、昭和50年(1975年)まで続くこととなる。

 昭和39年(1964年)東海道新幹線が開業し東京オリンピックも開催、景気の回復が実感され始める。

 昭和44年(1969年)国内では東大安田講堂事件、宇宙ではアポロ11号月面着陸。

 昭和45年(1970年)私も三波春夫の「世界の国からこんにちは」にのって大阪万国博覧会に行きました。

 昭和47年(1972年)札幌では冬季オリンピック、沖縄は米国から返還。

 昭和48年(1973年)第4次中東戦争による第1次オイルショック勃発。日常生活にも影響が。

 昭和53年(1978年)日中平和友好条約締結されるも台湾との国際関係は微妙な状態になってしまう。

 昭和54年(1979年)エズラ・ヴォーゲルの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」発刊、少々浮かれ気味の様相。

 昭和58年(1983年)東京ではディズニーランド、家庭ではファミコン状態。

 昭和64年(1989年)昭和天皇崩御。平成に改元。私も初めて改元を経験しました。国内は消費税に戸惑い世界はベルリンの壁が壊され東西冷戦が終結。

 昭和66年(1991年)バブル経済とソビエト連邦が崩壊。

 昭和70年(1995年)阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件、穏やかではない1年。

 昭和76年(2001年)アメリカ同時多発テロ。

 昭和83年(2008年)リーマンショックは他人ごとではなかった。

 昭和86年(2011年)東日本大震災、翌年は東京スカイツリー開業。

 昭和94年(2019年)令和に改元。消費税10%。翌年のコロナ騒動と続いてゆく。

 昭和100年(2025年)世界も日本も激動の年となる。中小企業にとっても過去に例を見ない生死をかけた現実が待っている。現実を見つめ、問題点を明確にし、計画を立てて前に進んでゆくものには一条の光が見えてくる。「事業と雇用はわが身に変えて守る」経営者のみが生き残る。悔いの残らない1年になったらいいです。

(EHS研究所会長)


(観光経済新聞2025年1月1日号掲載コラム)

 
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