【旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 196】抜け出す経営への原理原則6 高付加価値化17 佐野洋一


 (11)高付加価値化とは?

 「高付加価値化」ということについて回を重ねてきた。そもそもこのテーマの根元は何であったか? それは「…頼みの経営から抜け出す」こと―つまり他力によらず、どんな環境状況にあっても自力で経営を切り開いていくこと―そのための原理原則の一つとして挙げたものである。そのことを念頭に置きながら、今回は改めて、高付加価値化というものの意味を考えてみたい。

 (ⅰ)高付加価値化とはどういうことか?

 高付加価値化とは、文字通り「付加価値を高めること」だ。いろんな捉え方ができると思うが、一つの見方として、商品を「コモディティ(=どこにでもあるもの)にしないこと」だといえる。旅館はもともと、「一物一価」が当てはまらない商売のはずだが、近代以降、どうもそうでなくなってしまっている感がある。そこにもう一度「差異」を生み出していくことだと考える。

 (ⅱ)なぜ高付加価値化する必要があるのか?

 言うまでもないことだが、今は食材やエネルギーコストをはじめとする諸物価が高騰している。人件費の上昇傾向が続くことも疑う余地がない。

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