【旅館経営 タテ・ヨコ・ナナメ 200】抜け出す経営への原理原則7収益性の確保4 リョケン 代表取締役社長 佐野洋一


 小欄も、おかげさまで200回を迎えた。拙い文章を掲載いただいている観光経済新聞社様と、お読みくださっている方々に感謝申し上げたい。

 さて、「収益性の確保―損益分岐点を引き下げる」のテーマのもと、前回は高収益化の起点となる高料金化政策について述べた。

 「価格設定は経営そのもの」であり、価格だけを他と無関係に独り歩きさせるわけにはいかない。目指す収益体質から「あるべき価格」を思い描いて、それにふさわしい商品像をつくり上げていく、といった考え方をしていく必要がある。

 (4)高料金化を目指す戦略方向

 その「あるべき価格」を高料金化に置くとして、ではどのようにしてそれを実現していくべきか…ここでは商品以外のことも視野に入れながら、いくつかの戦略方向を掲げたい。

 (ⅰ)品質重視経営 

 品質に関しては、小欄〈160〉~〈170〉においてすでに述べているので詳しいことは省くが、その中から一つだけ振り返ると―「品質の確保」は一般に、商売の必要条件であって十分条件ではないが、望ましい収益体質を目指すなら、高品質は確保されるべき普遍的なテーマ。

 しかし品質を高める意義はそれだけではなく、旅館商売では、「品質重視経営」が立派な戦略として成り立つ―と、このようなことを述べた。

 平たく言えば、「品質重視だって高収益化につながる戦略になりますよ」ということだ。「高収益化↓高料金化」と読み替えても同じことが言える。

ペイウォール会員向け記事です。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒