「収益性の確保」というテーマのもと、損益分岐点を引き下げるための方策について考えている。「ランニングコスト」を低く抑えるための「投資」を考えていきましょう、という提言をした。中心となるターゲットは、前回も取り上げたように業務、作業だ。またここで言う投資とは、合理化のための各種機器やシステムの導入を意味する。
機器類は範囲も広いのでひとまずおき、最近進化、実用化が著しいシステムについて見渡してみたい。
(ⅳ)各種システム
PMS(プロパティ・マネジメント・システム)は、予約情報を軸に、客室管理、フロント情報、会計、現場業務情報、顧客管理、営業統計といったさまざまな機能を集約した基幹システムである。
一定規模以上の旅館・ホテルでは「フロント・会計システム」として、すでにかなり前から導入されていることと思うが、中小規模の施設ではまだというところもかなりある。これを使っているかそうでないかで、各部署の情報活用度や業務効率は全然違う。
またPMSを導入済みのところでも、ひと昔前と比べて今は活用の幅がだいぶ広がっているので、バージョンアップや機能拡張など、見直しの余地は大いにあるだろう。例えば、お客さまが出発済みで清掃に入れる客室を現場スタッフへ即時に伝えるシステムを備えるだけで、清掃業務の効率は格段に高まる。
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