原生の湖と豊かな田園の交通の要都
北海道中央南部に位置する千歳は北海道の空の玄関口。国内はもとより海外の多くの都市と空路で結ばれ、年間乗客数が2千万人を超える大空港である。
中心街は空港の北方の碁盤目状の街路に飲食店、商店、ホテル、オフィス、住宅が連なる千歳駅周辺。北東郊にはパレットの丘と呼ばれる美しい丘陵の田園地帯がひらけている。
なかでも一番の観光名所はバスで40分ほど。東西に長い市域の西端にある支笏湖だ。原生林の山々に囲まれた全国で2番目に深い湖で、環境庁の水質検査では9年連続日本一。湖畔に支笏湖温泉も湧く自然豊かな国立公園である。
その東畔に源を発して東へ向かう一級河川の千歳川は、市街地に入って北流を続けやがて石狩川に注ぐ。サケが遡上する川である。
駅から徒歩10分のその河畔にサケの産卵も観察できる「サケのふるさと千歳水族館」がある。淡水では日本最大級の水槽が見ものだが、自慢の一つが千歳川の水中に窓を数カ所設けた珍しい水中観察ゾーン。産卵のため遡上するサケが自然の状態で間近に楽しく観察できる。
また建物の裏手の千歳川に毎年設置(8月下旬~12月中旬)される野外施設の「インディアン水車」も見もので、遡上するサケを回転する水車で巧みに捕獲する装置で、面白いように揚がる様子を大勢の人が橋の上から眺めていた。
「これは観光用でも食用でもなく、卵を採取して人工孵化放流事業に利用するための捕獲」と館長の菊池基弘さん。とはいえこれを目当てに多くの人が集まり、入館者もぐっと増える。話では稚魚の放流は毎年約3千万尾。帰ってくるのは20~30万尾とのこと。回帰率は低いが、確かなUターン組である。
ちなみに人口9万7千余の千歳はUターン、Iターンなど転出、入者の動きが多い。だが40数年来、人口増加続きの希少なまちである。
(旅行作家)
●千歳市観光連盟TEL0123(24)8818