インドネシア市場
期待の巨大市場インドネシア
人口世界第4位の約2.7億人、東西の長さは約5千キロと、米国やオーストラリアが中に入ってしまう幅をもつ大国インドネシア。2019年のインドネシア人出国者数は全体の4%に満たないながらも約1千万人、訪日旅行経験者は約20%という状況から、同国の経済成長とともに訪日客数の大きな伸びが期待できる市場である。
首都ジャカルタでは、ショッピングモールの特設エリアで毎週のように開催されるトラベルフェアに多くの人々が集まっている。
トラベルフェアから見る人気ツアーの傾向
9月に開催されたトラベルフェアにおいて、各国の旅行商品が並ぶ中、訪日旅行主力商品は、テーマパークを含む東京・大阪を結ぶいわゆるゴールデンルートであった。この傾向はコロナ前から変わっていない。
旅行会社のヒアリングによると、世界中にあるテーマパークの中でも、日本のものはインドネシアにはない四季や、人気のアニメ、漫画とのコラボなど、季節や期間限定のイベントがあること、そして日本ならではの「おもてなし」により気持ちよく過ごすことができると人気が高いとのこと。最近はゴールデンルートから大きく外れないエリアにおいて写真映えする「日本らしい」コンテンツを求める声が多く、城や、神社仏閣等をツアーに組み込む動きも出てきている。そのため、ゴールデンルートから「行きやすい」というPRは有益と言える。
一方、競合国である韓国は、人気K―POPアイドルグループのミュージックビデオや、ドラマのロケ地等を巡るツアーの販売が目立つ。6~7日で約12~15万円程度の金額設定が通常であるが、アイドルグループと1分間会うことができる権利付きのツアーは、約30万円と高額ながらすぐに売り切れたとのことで、高付加価値商品の好例と言える。
日本への注目度が高まっている
日本の水際対策緩和が進む中、当地航空会社や旅行会社による当所への来訪および問い合わせが増加している。いずれも「日本は最も人気のあるデスティネーションの一つ」「日本のランドオペレーターが忙しいようで回答が来ず困っている」「日本の情報がもっと知りたい、自治体や企業とつながりたい」とするものである。一方で、受け入れ先となる日本側の複数自治体や企業から、インドネシア市場のポテンシャルに注目し、今年は初のセールス出張を予定しているという声も聞いている。
当所では、旅行博開催やSNS発信等により一般旅行者に対してゴールデンルートからさらに地方へ回遊するよう幅広く日本の観光魅力PRを行っているほか、業界向けニュースレターやセミナー商談会等を通じ、日尼の観光関係者をつなぐ取り組みを進めているため、ぜひご活用いただきたい。