【日本茶インストラクターが勧める 素敵なお茶生活 22】商店街 繁田聡子


 お茶をこの上なく愛した義父が注目していたお茶の栄養素。25年ほど前、茶殻に残る栄養を無駄なく摂取できる方法はないかと、熊本県経済連のご協力をいただき、作り出した「食べるお茶」。阿佐谷本店の「食べるお茶」と染めたのれんに興味を引かれ、テレビ番組収録の際、お笑い芸人の有吉君一行が散歩の途中に、「食べるお茶って何ですか」と店内へ。

 刻んだお茶を水で丸ごと飲む体験後の感想は、「お茶の香りが口に広がりますね。青汁みたいな感覚で捉えると面白いかも」と有吉君。

 「飲むだけでなく、青のり、パセリのように温かい料理に振り掛けるとお茶の香りも楽しめ、お湯に溶け出さないビタミンAやEなどの栄養素も摂取できます」との説明に納得のご様子。義父が存命だったら大喜びでお相手したことでしょう。

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 シャッター通りとやゆされることもある、昔ながらの商店街。

 東京都杉並区、阿佐谷本店のある商店街は、220店舗くらいの集まりですが、入れ替わりが増え、「前はここ、何の店だったかしら」と思うこともあるくらい、変化が続いています。家具屋、呉服屋、履物屋、豆腐屋、魚屋、金物屋、米屋、陶器屋と次々に閉店し、街の雰囲気も変わってきています。ただ、今のところ、間を置かずに新しく出る店もあるので、初めて訪れる方に「にぎやかな商店街ですね」と言われることもありますが、昔からある専門店が少なくなってきた寂しさは否めません。

 ドラッグストア、携帯電話の店、マッサージ店、週替わりの店など、いわゆるチェーン店の割合が増えてくると、それぞれの商店街の特徴を感じることができにくくなってきます。チェーン店を否定するわけではありませんが、専門性の高い個人商店が集まることで、商店街のみならず、その地域の特色も発信でき、魅力も高まるような気がします。訪日する外国人旅行者の中には、観光地だけでなく、商店街を訪れることにより、その地域をより深く知ることができると考える人も増えてきたとか。

 地域に生かされ、地域に貢献できる商店街。普段着で気軽に買い物が楽しめる場所。安心して歩ける通路。顔なじみの店主や店員とあいさつを交わし、ばったり出会った知人と立ち話する空間。そんな商店街の風景を失いたくないと切に願っています。

 小規模専門店が存続するには、家の継承問題も避けては通れません。高齢化、後継者不足に加え、流通経路の多様化の波にもまれながらも、途方に暮れてばかりはいられません。

 
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