今でこそ、子育て真っ最中の人たちに、「その時々のかわいさを楽しんで」と、声をかけることが多くあり、孫たちと過ごす時間に癒やされている私ですが、仕事を抱えての自身の子育て期を考えると、夢中だったなと今では思います。若さで乗り切ったと思えることも多々あります。それになにより永井澄子さんというベテラン主婦の手助けは心強いものでした。今でも子供たちは「永井チャーハンはおいしかった!」と懐かしそうに語ります。
アルバムを開くと、あの頃、親である自分たちも結構楽しんでいた様子が写真から伝わってはきますが、思い起こすといろいろなことが反省とともによみがえります。あそこまで厳しくしなくてもよかったのではとか、ここはもっとしつけをしておくべきだったとか…。すっかり成長した子供たちから今ではこちらが教えられること、助けてもらうことがたくさんあります。精神的にも、もちろん体力的にも。
友達とのあつれき、受験の失敗、学校生活の悩み、クラブ活動での苦労、親への不満など、子供が辛いときはそれ以上に親も心を痛め、悲しいものですが、辛く苦い経験は必ず後でその子の糧になると思います。わが子たちを見ていてそう思います。
皆、社会人として自立し、子育ても終了かとの思いですが、今のところ(?)誰も跡を継ぐ気配がないのはどうしたものでしょう。打ち込める仕事があることは、親として喜ぶべきでしょうが…。何か大事なものを伝え損ねたのでしょうか。
長男、穣は百貨店勤務。上海での6年間の駐在を終え、今は海外へのたびたびの出張をこなしています。私の相談に対しては的確なアドバイスを返し、「小売業とは少量の品を少しずつ売ることだよ」と、諭してくれたことも。
長女、恵は総合職として単身赴任も経験し、結婚後は阿佐谷店の事務所に子連れ勤務中。POP、ポスターなどの企画、印刷、経理事務を担っています。
次女、翠は仕事上での語学力不足を痛感し、上司のご理解の下、カナダにて研修中です。