日本茶を簡単に気軽に味わうには、ティーバッグや粉末茶を利用するのも一つの方法です。急須で淹(い)れるお茶がどのような場合も絶対的と考えているわけではありません。それぞれの利点をご自身のライフスタイルに合わせて選択なさればよいのではと思います。高品質のティーバックや粉末茶も増えてきています。
お茶の葉と水を入れるだけで、フィルター付きのキャップからそのまま注げ、冷蔵庫に保存できるおしゃれな耐熱ボトルも出回っています。麦茶用のガラスポットにティーバッグと水を入れ、冷茶を作る方法もあります。
水出し茶には、苦味を感じるカフェインが出にくく、でもテアニンのうま味は抽出されるため、まろやかさを味わえます。淹れ手に左右されない一定の味が楽しめます。
さらに、水出し緑茶ならではの機能性の研究成果も学会で発表されています。テアニン、ケルセチン、エピガロカテキンなどは冷たい水でも比較的よく抽出されます。テアニンには抗ストレス効果、ケルセチンには血管機能低下予防、エピガロカテキンにはマクロファージという免疫細胞の働きをアップさせる効果が期待されるとのことです。(農研機構果樹茶業研究部門・物部真奈美博士の講演より)
熱湯で淹れるのが原則といわれている焙じ茶や玄米茶も、時間をかければ、香りは少ないものの水出しでも味わうことができます。