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著者の山上徹氏は同志社大学名誉教授。2015年から約2年間、観光経済新聞にコラム「食と観光 日本の新たな魅力」を執筆した。本書はその連載経験も踏まえて上梓した。
「コロナ後、『モノ・コト・ヒト』の文化が観光資源のキーワードになります。京都でも、観光の視点から、文化のストーリー性を演出することが要求されます」(前書きから)。
各章では、テーマごとに「起源と由来をたどる」「日本文化との関わりを考える」の二つに区分して論述している。
第1章では、旅・観光形態の変遷とコロナ後の観光のあり方を考え、第2章では、平安遷都・京都の概略史、第3章では、「モノ」として「京都の自然」とのかかわりや風土の中で生まれた文化、第4章では、神社仏閣に関する「施設・建造物」、第5章では、京都の建築様式と文化施設の整備・保存地区の由来をひも解き、第6章では、京都の無形な「コト」として伝統工芸と芸能文化などの人文資源を考え、第7章では、京都の祭と食文化の生活様式、さらに第8章では、「歴史にヒトあり、ヒトに歴史あり」というごとく、京都観光文化ゆかりの人的資源を扱った。
京都商工会議所が京都観光の振興を図るために毎年実施している「京都・観光文化検定試験(京都検定)」の受検用の副読本としても活用できる。
定価1980円(税込み)。全402ページ。3月30日発行。発行所は鳥影社TEL03(5948)6470。