オーバーツーリズムの観点や、地域への還元、環境への配慮などの面からも注目を集めつつある「ラグジュアリートラベル」。明確な線引きはないが、富裕層観光の定義について日本政府観光局(JNTO)は、「1人あたり1回に消費する旅行金額が100万円以上」としている。また、JNTOの調査によると、旅行者数は全体の1%程度にも関わらず、消費額では全体の13%以上を富裕層が費やしており、いかに富裕層を取り込むラグジュアリーエコツーリズムを充実させられるかは、日本の観光にとってより重要になりつつある。
本書では、ラグジュアリーエコツーリズムの手段として「唯一無二の体験の提供」の重要性を挙げている。ラグジュアリーエコツーリズムの誕生背景を掘り下げるとともに、彼らが求める「体験」を自ら足を運んだ第一人者の著者が、日本の観光業の新たな可能性を解き明かす。
新書判200ページ。定価968円(税込み)。発売=光文社。