日夜広島市内を走り、市民の足として生活に溶け込み、広島を訪れる客には、街の魅力を伝える役割も担う広島電鉄の路面電車。100年以上も走り続けるその裏側には、全国各地で役目を終えた路面電車が第2の活躍の場所として走っていたり、1日平均の乗降客が路面電車では国内最多の利用者数を誇っていたり、広島市民さえも知らないエピソードが数多く眠っている。
路面電車を考える会は、1993年に「車社会に行き詰まった都市の再生を図るため、無公害の路面電車の活用を考え、交通体系全般の見直しを図る活動をしたい」との理念のもと広島で発足。現在は、会社員、広島電鉄OB、大学教授など、広島と路面電車を愛する約20人で構成されている。
本書は、広島の鉄道の歴史、広島電鉄の歴史、広島の未来へ果たす役割など、広島の町の発展を見つめ、住む人、訪れた人と日々交わる広島電鉄の路面電車について紹介する。
価格は800円(税別)。223ページ。問い合わせ先は、交通新聞社TEL03(6831)6622。