海外渡航122回を誇る、旅の達人による「旅の本」を巡るエッセイ集。旅は「計画や準備」(前)、「旅のそのもの」(中)、「思い出」(後)と3回楽しめるが、そこに一つプラスして楽しむのがいい、という筆者。
「普段の暮らしのなかで旅に入っていけるのが、いつかどこかへの旅を読むこと。この旅を読む楽しみを加えて、3プラス1と思うようになった。プラス1のよいところは『どこかに行きたいな』状態で、とくに具体的な行先が決まっていないことが多いこと。だから、列車やら食事やらといった旅のパーツを気にせず、未だ見ぬ土地に想いを馳せられる」。
松尾芭蕉「おくのほそ道」からカレル・チャペック「スペイン旅行記」、さらにはフーテンの寅さんロケ地巡りの書まで。旅をする前に読む本。旅をしてから読む本。実際には行かなかったけれども読む旅の本。そんな本を79冊紹介している。
発行は書肆梓。定価は2530円(税込み)。