外国人に県の魅力をPR ホープツーリズム推進に力
東日本大震災の発生から10年目を迎えます。この間、全国の皆様からたくさんの心温まるご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
福島県では、観光客の入り込みが震災前の水準に回復するなど、着実に観光復興が進む一方で、根強い風評等により、教育旅行については学校数が震災前の9割近くまで回復しているものの、宿泊者数は震災前の7割程度にとどまるなど、厳しい状況にあります。
こうした中、震災直後に壊滅的な落ち込みを記録した外国人宿泊者数については、平成30年の実績が過去最高の14万人泊となりました。しかし、全国的な外国人観光客の大幅な増加には全く追いついていない状況です。
今後、さらなる観光復興に向け、二つの取り組みを中心に力を入れていきます。一つは東京オリンピック・パラリンピックを契機とした外国人観光客の誘客です。世界的に著名な英国の日刊紙において、今年訪れるべき場所20の場所の一つに福島が選ばれており、世界の注目が本県に集まるものと思われます。日本を訪れた人々を県内に誘客するため、食やサムライ文化、温泉、自然など外国人の関心の高い本県の魅力ある観光素材の効果的な情報発信に取り組んでまいります。
もう一つは、「ホープツーリズム」です。復興に向かう福島のありのままの姿(光と影)を見てもらい、各分野で困難に真正面から向き合う人々との対話を通じて、福島で起きたことを「自分事」として捉え、今後にどう生かしていくかを考える学びの旅です。
今年は常磐線の全線開通や東日本大震災・原子力災害伝承館がオープンし、東京オリンピック・パラリンピックで、国内外から多く方が訪れますので、福島のありのままの姿を見ていただきたいと考えております。
福島県 内堀雅雄知事