かんざし、「くちこみクラウド」提供開始
ホテル・旅館などを対象にしたソリューションサービスを手掛けるかんざし(林垣恵太社長、東京都渋谷区)は、口コミの一元管理ツールサービス「くちこみクラウド」の提供を3月1日に開始した。OTA(オンライン・トラベル・エージェント、宿泊予約サイト)に寄せられた自館に関する口コミに対し、AI(人工知能)によって瞬時に返信文の文例が自動作成できる。各OTAの口コミの総合点や項目別の点数を一覧表示する分析機能もある。ウェブ集客で重要さを増す口コミ返信の業務効率化、口コミの分析を通じたサービスの改善などに貢献する。
OTA評価点など分析機能も
「くちこみクラウド」が現時点で対応しているOTAは、じゃらんネット、楽天トラベル、一休.com、るるぶトラベル。今後、海外サイトの対応を予定している。
宿泊施設が参画している各OTAに寄せられた自館に関する口コミは、「くちこみクラウド」上に集約される。通知設定で定められた時間に指定のメールに通知することも可能。未返信、新着の口コミが確認でき、返信漏れを防ぎ、返信作業がスムーズになる。
口コミに返信する手順は、トップページの「くちこみを返信する」を押すと、各OTAサイトの未返信の口コミが一覧表示される。返信する口コミにチェックを入れ、返信画面に進む。投稿内容が表示され、AIによる自動分析を経て、返信文の文例が瞬時に自動作文され、表示される。
自動作文された返信文をそのまま返信することもできるが、もちろん加筆、修正が可能。「ユーザー辞書」に登録した文章を挿入することもでき、オリジナル返信文の作成が容易だ。「返信を行う」を押せば、返信が実行される。
口コミ返信の実行に関して社内の権限を管理する機能も備えている。担当者が返信用の下書きを作成し、管理者が返信を実行するといった権限管理が可能だ。
AIによる投稿内容の分析の結果、口コミの内容を視覚的に表現する機能もある。口コミの文章のうち、「ポジティブ」な表現の文章部分は青系統の色で、「ネガティブ」な表現の文章部分は赤系統の色で表示。ポジティブ、ネガティブの表現の強弱も色の濃淡で表してくれる。
さらに「くちこみクラウド」には、口コミをサービス、業務、品質の改善などにつなげるために役立つ評点分析機能がある。口コミを「月単位/指定期間」「キーワード」「総合点の高い順/低い順」「AI判定の良い順/悪い順」で検索することが可能。各OTAの口コミの総合点、「部屋」「食事」「風呂」などの項目ごとの評点の分布が一覧で確認できる。
4月のアップデートでは新規機能を追加。OTA経由ではなく、自社サイトで予約した宿泊客から声や意見、評価を獲得して管理する「意見箱」(自社くちこみエンジン)が利用できる。投稿フォームにつながるURLを付けたメールを宿泊客に送付。投稿された声や意見、評価はくちこみクラウドに反映され、管理できる。また、客室などに備えた紙のアンケートの結果を入力して、くちこみクラウドで管理することも可能だ。
このほかオプション機能として、各OTAサイトに投稿された口コミ、自社くちこみエンジンの意見箱で獲得した声や意見、評価を一覧化し、自社ホームページ上に表示できる「自社集客用ツール」も提供している。オンラインの投稿を促すため、紙のアンケート用紙などにQRコードをプリントするサービスもオプションで利用できる。
利用料金(税別)は、初期費用が2万円、月額利用料が1万4800円。「かんざしクラウドEA」の契約者は、初期費用が1万円、月額利用料が7400円になる。
かんざしは、中小サービス業などのIT導入に補助金を交付する経済産業省の平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業で、IT導入支援事業者に登録している。
詳細は、かんざしホームページ(http://www.kanxashi.co.jp/)まで。