「日本三名泉」を心ゆくまで
草津、有馬と並ぶ「日本三名泉」の岐阜県・下呂温泉。水明館は昭和7年創業の同温泉を代表する名旅館だ。清流飛騨川沿いの1万余坪の敷地に「山水閣」「飛泉閣」「臨川閣」、離れ「青嵐荘」と四つの館が並び、人々のさまざまな旅行のニーズに応えている。
臨川閣最上階(12階)に位置する貴賓室「蓬莱」「和合」はそれぞれ広さ210平方メートル。12・5畳と8畳の和室、リビング、ベッドルームを備えたほか、大理石と高野槇(まき)の2種の室内風呂を装備。贅(ぜい)と心を尽くした特別室で、これまで皇族方をはじめ、時の総理大臣など多くのVIP、著名人を迎えてきた。
天皇皇后両陛下を迎えたのは平成18年5月。地元下呂市で開催された全国植樹祭に臨席のため、宿泊されたのだ。宿泊の打診があったのはわずか3カ月前。それでもしっかりとお迎えができるようにと、貴賓室の設備、装備を新しくし、ロビーからの廊下のじゅうたんも一新した。「山間の宿ならではのおもてなしでお過ごしいただきたい」と特別なしつらえも行い、「両陛下がたいそう喜ばれてお帰りになったと後でお聞きしたことが何よりもうれしかった」と瀧多賀男会長。
山水閣、飛泉閣、臨川閣のそれぞれに大浴場を備え、宿泊客はどの館に宿泊しても3カ所全てを利用できる。山水閣1階の野天風呂「龍神の湯」「観音の湯」は巨岩と緑に囲まれた野趣あふれる野天の湯。飛泉閣9階の展望大浴場は温泉街の街並みや山々を一望する明るく広々とした湯。臨川閣3階の「下留の湯」は天井、壁、柱と飛騨名産のヒノキにこだわった芳香漂う湯だ。
料理は日本有数のブランド牛「飛騨牛」、地元の農家と提携した新鮮野菜など、県産の食材にこだわる。部屋での和食会席のほか、レストランでのフレンチ、中華など、さまざまな食事スタイルを選べる。
▽岐阜県下呂市幸田1268。TEL0576(25)2800。https://www.suimeikan.co.jp/
貴賓室「蓬莱」
臨川閣ロビー
下呂温泉 水明館 【公式】
※本特集記事は、観光経済新聞4月27日号(新天皇陛下の御即位前)に掲載したものです。