【直販を増やす】デジタルマーケティングトレンド42 松本慶大


松本慶大氏

 緊急事態宣言が解除され、観光地に人が戻り、宿泊施設の稼働も上がりつつある(単価が低いことは課題ではあるが)。

 コロナを経験した人類は、コロナが収束してコロナ前と同じ生活や消費に戻るのか? 歴史的な変化を経験したことで100%同じ状態には戻らないと思う(例=働き方は週5フル出勤から、テレワークと出社のハイブリッドになる)。

 コロナ禍でも消費者のニーズに耳を傾け、寄り添い、新たな取り組みで、集客(販売)を増やしている事例はある。

 ◆その1 人気のウイスキー付き宿泊プランは、販売開始後、予定数を即完売

 飲食店でお酒が飲めない期間中に、客室でお酒を楽しめるプランとして販売。純粋に宿泊を楽しむ方ではなく、ウイスキーコレクターが予約し、ボトルはお持ち帰りされたようだ。

 ◆その2 人気のアニメとコラボした宿泊プランで、販売好調につき期間延長https://edmont.metropolitan.jp/stay/plan/shinkalionZ.html

 コロナ禍で抑制された生活に飽きて、ちょっとした楽しむ時間を持ちたいと思う人は多い。ここでしか体験できないという希少性がSNS(ツイッター)で拡散され、大きな反響を得た宿泊プランだ。

 コロナ禍ではSNSの月間アクティブユーザー数が増加し、希少性や限定的な情報は、SNSでシェア、拡散される傾向が強くなっている。

 ◆その3 お店に来てもらうことは当たり前ではない、自ら出向いて売る

 東京の帝国ホテルは、キッチンカーで移動販売を開始した。また、世界一のレストラン、デンマーク「Nomaノーマ」はコロナ禍で予約不要のレストランに変更した。

 コロナ禍で宅配利用が増え、誰でも気軽に注文できる便利さに消費者は慣れた。お店に来てもらって食事を提供することが当たり前ではなく、自ら出向いてホテルや旅館の伝統の味、おいしい料理を提供することはコロナに対応した取り組みだ。

 日本は今後、超高齢化社会に向かう中で、有料老人ホームや介護施設にキッチンカーで出張料理を提供するなど、自ら出向いて行きたくても行けない方に料理を通して喜んでいただく機会はつくれる。

    ◆   ◆

 今年のクリスマスは週末なので、久しぶりに宿泊も、レストランも、予約が期待できるが、キャパシティ以上に集客はできないので、お店で提供するメニューのほか、ステイホーム慣れした人向け(カップル、ファミリー)に、自宅で楽しめるクリスマスメニュー(テークアウトまたデリバリー)を用意し、ハイブリッド販売をチャレンジしてみてはいかがだろうか?

 厳しい状況下でも、お客さまに寄り添うサービス、お客さまの課題を解決するサービスは売れると信じて、新たな一歩を踏み出してみてください。

 (コレリーアンドアトラクト代表取締役) 

 
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